【神経難病(ALS・脊髄小脳変性症など)】のケアプラン文例
進行を見越した早めの準備と、医療・障害福祉との連携|関連する状態:筋萎縮性側索硬化症(ALS)・脊髄小脳変性症・多系統萎縮症・進行性核上性麻痺・難病
ALS・脊髄小脳変性症・多系統萎縮症など、症状が少しずつ進む神経難病の文例です。今の暮らしを支えながら、飲み込み・呼吸・意思を伝える力の変化に先回りして備える視点でまとめています。
脳・神経・こころ
多系統萎縮症は、立ちくらみ・排尿・夜間の呼吸など、この病気ならではの文例を専用のページにまとめました。多系統萎縮症のケアプラン文例(55文例) →
最終更新:2026年9月25日/令和6年度介護報酬改定後の制度および現行の居宅サービス計画書標準様式に基づいて作成しています。
ご利用にあたって:掲載文例はすべて一般的な例文であり、特定の利用者・事例を示すものではありません。ご本人の状態・意向、主治医の指示、保険者・法人の様式ルールに合わせて、必ず内容を確認・修正してからお使いください。
このページの内容
書きたい欄をえらぶと、その文例まで移動します。
第1表計画書の1枚目に書くこと
第2表計画書の2枚目に書くこと
第5表モニタリングの記録に書くこと
視点主任ケアマネが確かめていること
第1表「居宅サービス計画書(1)」に書く文例
ご本人とご家族の意向、課題分析の結果、支援の方針を書く欄です。
第1表「居宅サービス計画書(1)」の様式と同じ並びです。行の名前は様式のとおりなので、同じ位置の欄へ貼ってください。
利用者の意向
第1表「利用者及び家族の生活に対する意向」欄に使えます。ご本人の言葉に近い表現でまとめています。 → 第1表の文例をもっと見る
病気が進んでも、できるだけ長く自宅で暮らしたい
言葉で話せるうちに、自分の思いを家族に伝えておきたい
動けるうちは、自分のことは自分でしたい
家族に負担をかけすぎないようにしたい
趣味や外出の楽しみを続けたい
家族の意向
第1表同じく第1表の意向欄。ご家族の思いを記載する際の表現です。 → 第1表の文例をもっと見る
病気が進んでいくことが不安で、先の見通しを知りたい
本人の希望を、できるだけかなえてあげたい
飲み込みや呼吸の変化に、どう対応したらよいか教えてほしい
夜間の介護が続いており、休める時間がほしい
医療と介護の相談先をまとめて、相談しやすくしてほしい
課題分析の結果
第1表「意向を踏まえた課題分析の結果」欄に、本人・家族の意向に続けて書く、課題分析の結果のまとめです。 → 第1表の文例をもっと見る
神経難病の進行により、歩行や移乗の動作が少しずつ難しくなっており、転倒のリスクが高まっている
構音障害が進み、会話による意思疎通に時間がかかるようになっている
嚥下機能の低下がみられ、食事中のむせと体重の減少が生じている
病状の進行に伴い、今後の医療処置について、本人と家族の意思を確認していく必要がある
主介護者である家族の介護時間が長く、身体的・精神的な負担が大きい
医療保険・介護保険・難病の医療費助成・障害福祉サービスなど、関わる制度が複数あり、調整が必要である
認定結果の通知に記載があれば転記する欄です。文例はありません(「特になし」等)。
総合的な援助の方針
第1表支援チーム全体の方向性を示す欄です。 → 第1表の文例をもっと見る
病状の進行を見越して、住環境と福祉用具を早めに整え、安全に暮らし続けられるよう支援します。
ご本人の思いを大切にし、意思を伝える手段を確保しながら、望む暮らしを支えます。
主治医・訪問看護・リハビリ職と連携し、飲み込みや呼吸の変化にすばやく対応します。
ご家族の介護負担に配慮し、休息がとれる体制を整えます。
医療・介護・障害福祉の制度を組み合わせ、切れ目のない支援を行います。
訪問介護の生活援助中心型を位置づけるときだけ、1〜3のいずれかを選ぶ欄です。文例はありません。
第2表「居宅サービス計画書(2)」に書く文例
ニーズから長期目標・短期目標・サービス内容へと、つなげて書く欄です。
「サービス内容」と「サービス種別」は分けて書きます(記載要領)
記載要領(老企第29号)では、サービス内容=短期目標の達成に必要なサービスの内容と方針、※1=保険給付の対象なら○、サービス種別=その内容を担う事業者等の種別と事業所名(家族が担う部分は誰が行うか)、と分かれています。この列では文例を内容として載せ、その下に※1の目安と種別の候補(押すとコピー)を付けています。
第2表「居宅サービス計画書(2)」の様式と同じ列の並びです。ニーズ → 長期目標 → 短期目標 → サービス内容 と、左から右へつなげて選んでください。
ニーズ
第2表「生活全般の解決すべき課題(ニーズ)」欄。ご本人主体の表現にしています。 → 第2表の文例をもっと見る
転ばずに、家の中を安全に移動したい
自分の思いを、家族や支援者に伝え続けたい
むせずに、口から食べる楽しみを続けたい
呼吸の変化に早く気づいてもらい、安心して暮らしたい
家族が休息をとりながら、在宅での生活を続けたい
これからの治療やケアを、納得して選びたい
長期目標
第2表おおむね6か月〜1年で目指す状態像です。 → 第2表の文例をもっと見る
病状の変化に合わせた支援を受けながら、自宅での生活を続けることができる
意思を伝える手段を確保し、自分の希望を周囲に伝えることができる
誤嚥性肺炎を起こさずに、安全に食事を続けることができる
家族が介護を続けられる体制が整い、介護負担が軽くなる
今後の医療処置について、本人と家族が納得して方針を決めることができる
短期目標
第2表3か月程度で達成を目指す、具体的で評価しやすい目標です。 → 第2表の文例をもっと見る
福祉用具を使って、ベッドからトイレまで安全に移動できる
文字盤などを使って、自分の要望を伝えることができる
食事の姿勢と食形態を整え、むせの回数が減る
息苦しさや痰の増加などの変化を、訪問看護に伝えることができる
週1回以上、家族が休息できる時間を確保する
主治医から病状の説明を受け、今後の医療処置について家族と話し合う
月1回、体重を測って記録する
サービス内容
第2表「サービス内容」欄。内容(何をどうするか)だけを書き、担う事業者等は「サービス種別」欄に書きます。 → 第2表の文例をもっと見る
病状と呼吸・飲み込みの状態を観察し、変化を主治医に報告する
今の機能を保つための運動と、動作の方法・福祉用具の使い方を練習する
飲み込みと発話の状態を評価し、食事の姿勢・食形態と伝え方の工夫を助言する
入浴・排泄・移乗を介助し、体調の変化を記録して関係者と共有する
特殊寝台・車いす・移乗用具などを導入し、状態の変化に合わせて見直す
文字盤や意思伝達装置の導入を検討し、使い方を本人・家族と練習する
短期入所で、家族が休息できる期間をつくる
難病の医療費助成や障害福祉サービスの利用について、保健所・市町村の窓口と情報を共有し、手続きを支える
今後の医療処置についての本人の意向を、主治医・家族・支援者でくり返し確認し、記録に残す
第5表「居宅介護支援経過」に書く文例
訪問して確かめたこと、目標の達成ぐあいを残す欄です。
第5表「居宅介護支援経過」の様式と同じ列の並びです。文例は「内容」の欄に貼ります。
年月日
訪問・電話などを行った日付
項目
「モニタリング」「電話連絡」など、記録の種類
モニタリング
第5表居宅介護支援経過・モニタリング記録に使える表現です。 → 第5表の文例をもっと見る
特殊寝台と移乗用具の導入後、ベッドからの移乗は介助で安全に行えている。
構音障害が進み、文字盤を使ったやりとりが中心になっている。
食事中のむせが増えており、言語聴覚士に嚥下の評価を依頼した。
体重が前月から1kg減っており、主治医に報告した。
短期入所の利用により、家族は月2回休息をとれている。
主治医から今後の医療処置について説明があり、本人と家族で話し合いを始めている。
夜間の痰の増加について、訪問看護と対応の方法を確認した。
主任ケアマネの視点:神経難病(ALS・脊髄小脳変性症など)の方を担当するときに確かめていること
文例だけでは伝わりにくい、プランを立てる前後に私が確かめていることです。アセスメント・連携・モニタリングに分けています。医療的な判断は、主治医の指示に沿ってください。制度の扱いは、保険者(市町村)の判断や改定で変わることがあります。
アセスメントで確かめること
- 病気の種類と進み方(数か月の単位か、年の単位か)、主治医から説明されている見通し
- 飲み込み・呼吸・話しにくさの変化。むせ、痰、声の出しにくさ、体重の推移
- 本人がいま大切にしていること。今後の医療処置について、家族と話し合えているか
プランに入れておきたい連携
- ALS・脊髄小脳変性症・多系統萎縮症などは、訪問看護が医療保険で提供される疾病(厚生労働大臣が定める疾病等)に含まれます。支給限度額の組み立てが変わるので、訪問看護ステーションと確認しておく
- 40〜64歳の方でも、これらの病気は介護保険の特定疾病にあたります。難病の医療費助成(保健所)や障害福祉サービス・補装具(市町村)など、窓口の分かれる制度を早めに整理する
- 進行に合わせて福祉用具やサービスを前もって準備できるよう、リハビリ職と見通しを共有する
モニタリングで見る変化
- 前回できていた動作が、できなくなっていないか
- 食事量・体重・むせ・痰の変化
- 家族の睡眠と疲れ、介護を続けられそうかという気持ち
神経難病(ALS・脊髄小脳変性症など)に関連する場面別の文例
場面ごとにさらに多くの文例を掲載しています。