【高次脳機能障害・失語症】のケアプラン文例
見えにくい障害を具体的な場面でとらえ、できる方法で暮らしを組み立てる|関連する状態:失語症・記憶障害・注意障害・半側空間無視・遂行機能障害・脳卒中の後遺症・頭部外傷
脳卒中や頭部外傷のあとに残る、失語症・記憶障害・注意障害・半側空間無視などの文例です。外からは分かりにくい障害を具体的な場面でとらえ、ご本人ができる方法で暮らしを組み立てる視点でまとめています。
脳・神経・こころ
最終更新:2026年9月25日/令和6年度介護報酬改定後の制度および現行の居宅サービス計画書標準様式に基づいて作成しています。
ご利用にあたって:掲載文例はすべて一般的な例文であり、特定の利用者・事例を示すものではありません。ご本人の状態・意向、主治医の指示、保険者・法人の様式ルールに合わせて、必ず内容を確認・修正してからお使いください。
このページの内容
書きたい欄をえらぶと、その文例まで移動します。
第1表計画書の1枚目に書くこと
第2表計画書の2枚目に書くこと
第5表モニタリングの記録に書くこと
視点主任ケアマネが確かめていること
第1表「居宅サービス計画書(1)」に書く文例
ご本人とご家族の意向、課題分析の結果、支援の方針を書く欄です。
第1表「居宅サービス計画書(1)」の様式と同じ並びです。行の名前は様式のとおりなので、同じ位置の欄へ貼ってください。
利用者の意向
第1表「利用者及び家族の生活に対する意向」欄に使えます。ご本人の言葉に近い表現でまとめています。 → 第1表の文例をもっと見る
言いたいことを、うまく伝えられるようになりたい
仕事や役割を、できる形で続けたい
一人で買い物や外出ができるようになりたい
失敗しても責められずに、自分のペースでやりたい
家族との会話を楽しみたい
家族の意向
第1表同じく第1表の意向欄。ご家族の思いを記載する際の表現です。 → 第1表の文例をもっと見る
以前とは性格が変わったようで、接し方に戸惑っている
言葉が出にくく、何を伝えたいのか分からないことがある
約束や予定を忘れるため、どこまで任せてよいか分からない
火の不始末やお金の管理が心配である
病気のことを周りに理解してもらえず、家族だけで抱えている
課題分析の結果
第1表「意向を踏まえた課題分析の結果」欄に、本人・家族の意向に続けて書く、課題分析の結果のまとめです。 → 第1表の文例をもっと見る
脳梗塞の後遺症による失語症があり、言葉が出にくく、意思疎通に時間がかかる
記憶障害のため、予定や服薬を忘れることがあり、生活の管理に支援が必要である
注意障害により、調理や外出のときに危険に気づきにくい
左半側空間無視があり、左側の物や段差に気づかずにぶつかることがある
障害が周りに理解されにくく、本人は自信を失い、家族は対応に戸惑っている
年齢や状況に応じて、障害福祉サービスや就労に関する支援との調整が必要である
認定結果の通知に記載があれば転記する欄です。文例はありません(「特になし」等)。
総合的な援助の方針
第1表支援チーム全体の方向性を示す欄です。 → 第1表の文例をもっと見る
障害の特性を具体的な場面で共有し、関係者が同じ方法で関われるよう支援します。
言葉以外の手段も使い、ご本人が思いを伝えられる方法を一緒に見つけます。
メモやスケジュール表などを活用し、ご本人ができる方法で生活を組み立てます。
リハビリテーションを続け、生活の中で使える力を伸ばします。
ご家族の戸惑いに寄り添い、相談できる場とつながれるよう支援します。
訪問介護の生活援助中心型を位置づけるときだけ、1〜3のいずれかを選ぶ欄です。文例はありません。
第2表「居宅サービス計画書(2)」に書く文例
ニーズから長期目標・短期目標・サービス内容へと、つなげて書く欄です。
「サービス内容」と「サービス種別」は分けて書きます(記載要領)
記載要領(老企第29号)では、サービス内容=短期目標の達成に必要なサービスの内容と方針、※1=保険給付の対象なら○、サービス種別=その内容を担う事業者等の種別と事業所名(家族が担う部分は誰が行うか)、と分かれています。この列では文例を内容として載せ、その下に※1の目安と種別の候補(押すとコピー)を付けています。
第2表「居宅サービス計画書(2)」の様式と同じ列の並びです。ニーズ → 長期目標 → 短期目標 → サービス内容 と、左から右へつなげて選んでください。
ニーズ
第2表「生活全般の解決すべき課題(ニーズ)」欄。ご本人主体の表現にしています。 → 第2表の文例をもっと見る
自分の思いを、家族や支援者に伝えたい
予定や服薬を忘れずに暮らしたい
安全に調理や外出をしたい
自分にできる役割を持って暮らしたい
家族が障害を理解し、安心して接したい
同じ障害のある人や家族とつながりたい
長期目標
第2表おおむね6か月〜1年で目指す状態像です。 → 第2表の文例をもっと見る
伝える手段を身につけ、日常の用件を伝えることができる
生活の手順を工夫し、服薬や予定を自分で管理できる
安全に気をつけながら、自分でできる家事や外出を続けられる
役割や楽しみを持ち、意欲的に生活できる
家族が障害の特性を理解し、無理なく関わることができる
短期目標
第2表3か月程度で達成を目指す、具体的で評価しやすい目標です。 → 第2表の文例をもっと見る
指さしや写真カードを使って、必要なことを伝えることができる
スケジュール表と服薬カレンダーを見て、1日の予定を確かめることができる
調理のときはタイマーを使い、火の消し忘れを防ぐことができる
左側に目印をつけ、左側の物に気づくことができる
言語聴覚士の訓練を、週1回以上続けることができる
家族が、ゆっくり短い言葉で話しかける方法を身につける
家族会や相談窓口の情報を得て、1回参加してみる
サービス内容
第2表「サービス内容」欄。内容(何をどうするか)だけを書き、担う事業者等は「サービス種別」欄に書きます。 → 第2表の文例をもっと見る
言葉の理解と表出の訓練を行い、家族に伝わりやすい話しかけ方を助言する
調理や買い物の手順を練習し、メモやタイマーなど本人に合う工夫を決める
本人と一緒に調理や掃除を行い、危険な場面を見守る
集団での活動と会話の機会をつくり、役割を持って過ごす
服薬カレンダーで服薬を確認し、飲み忘れがあれば家族に連絡する
主治医の定期受診で症状と服薬を確認し、必要に応じて専門の医療機関につなぐ
障害者手帳や障害福祉サービスの利用について、市町村の窓口と相談する
家族会や相談窓口の情報を伝え、家族が相談できる場とつなぐ
障害の特性と関わり方(話しかけ方・声をかけるタイミング)を、関係者で共有する
第5表「居宅介護支援経過」に書く文例
訪問して確かめたこと、目標の達成ぐあいを残す欄です。
第5表「居宅介護支援経過」の様式と同じ列の並びです。文例は「内容」の欄に貼ります。
年月日
訪問・電話などを行った日付
項目
「モニタリング」「電話連絡」など、記録の種類
モニタリング
第5表居宅介護支援経過・モニタリング記録に使える表現です。 → 第5表の文例をもっと見る
写真カードを使うことで、食事や外出の希望を伝えられる場面が増えている。
服薬カレンダーを使うようになり、飲み忘れは週1回程度に減っている。
タイマーを使うようになり、火の消し忘れはみられていない。
左側の目印により、左側の物にぶつかることが減っている。
通所では洗濯物をたたむ役割を持ち、表情が明るくなっている。
家族は短い言葉で話しかけるようになり、やりとりがスムーズになってきた。
家族が家族会に参加し、同じ立場の人と話せてよかったと話している。
主任ケアマネの視点:高次脳機能障害・失語症の方を担当するときに確かめていること
文例だけでは伝わりにくい、プランを立てる前後に私が確かめていることです。アセスメント・連携・モニタリングに分けています。医療的な判断は、主治医の指示に沿ってください。制度の扱いは、保険者(市町村)の判断や改定で変わることがあります。
アセスメントで確かめること
- 困りごとが「どの場面で・何が起きているか」(言葉・記憶・注意・左側の見落とし など)を、具体的な出来事で確かめる
- 本人が障害をどう受け止めているか。これまで担ってきた役割や仕事
- 家族の戸惑いや疲れ。周りへの説明に困っていないか
プランに入れておきたい連携
- 言語聴覚士・作業療法士の評価を、関わり方の共通ルールとして全員が使えるようにする
- 65歳未満の方は、障害者手帳・障害福祉サービス・就労の支援も含めて考える。高次脳機能障害は、精神障害者保健福祉手帳の対象になることがあります
- 都道府県の高次脳機能障害の支援拠点など、専門の相談先を家族に伝える
モニタリングで見る変化
- 伝える・覚える・気づくための工夫が、実際の暮らしで使えているか
- 危険な場面(火・外出・お金)の変化
- 本人の自信や意欲、家族の関わり方の変化
高次脳機能障害・失語症に関連する場面別の文例
場面ごとにさらに多くの文例を掲載しています。