【多系統萎縮症】のケアプラン文例
ふらつき・立ちくらみ・排尿の困りごとと、夜間の呼吸への備え|関連する状態:MSA・オリーブ橋小脳萎縮症・線条体黒質変性症・シャイ・ドレーガー症候群・指定難病
多系統萎縮症の方の文例です。ふらつきによる転倒、立ちくらみ、排尿の困りごとに加えて、睡眠中の呼吸や飲み込みの変化に早く気づけるよう、医療との連携を軸にまとめています。
脳・神経・こころ
多系統萎縮症は、神経難病のひとつです。ALS・脊髄小脳変性症など、ほかの神経難病の方は 神経難病のケアプラン文例 →
最終更新:2026年10月5日/令和6年度介護報酬改定後の制度および現行の居宅サービス計画書標準様式に基づいて作成しています。
ご利用にあたって:掲載文例はすべて一般的な例文であり、特定の利用者・事例を示すものではありません。ご本人の状態・意向、主治医の指示、保険者・法人の様式ルールに合わせて、必ず内容を確認・修正してからお使いください。
このページの内容
書きたい欄をえらぶと、その文例まで移動します。
第1表計画書の1枚目に書くこと
第2表計画書の2枚目に書くこと
第5表モニタリングの記録に書くこと
視点主任ケアマネが確かめていること
第1表「居宅サービス計画書(1)」に書く文例
ご本人とご家族の意向、課題分析の結果、支援の方針を書く欄です。
第1表「居宅サービス計画書(1)」の様式と同じ並びです。行の名前は様式のとおりなので、同じ位置の欄へ貼ってください。
利用者の意向
第1表「利用者及び家族の生活に対する意向」欄に使えます。ご本人の言葉に近い表現でまとめています。 → 第1表の文例をもっと見る
ふらついて転ぶのが怖いが、自分の足でトイレまで行きたい
立ちくらみで倒れないように気をつけながら、家で暮らしたい
話しにくくなってきたが、自分のことは自分で決めたい
夜の呼吸のことが心配なので、安心して眠りたい
病気が進んでも、家族と一緒に自宅で過ごしたい
家族の意向
第1表同じく第1表の意向欄。ご家族の思いを記載する際の表現です。 → 第1表の文例をもっと見る
転んでけがをしないか心配なので、安全に動けるようにしてほしい
夜のいびきや、息が止まることが心配で、どう見守ればよいか知りたい
病気がどう進むのか、先の見通しを知っておきたい
介護が長く続くので、自分の休む時間もほしい
本人の望む暮らしを、できるだけ続けさせてあげたい
課題分析の結果
第1表「意向を踏まえた課題分析の結果」欄に、本人・家族の意向に続けて書く、課題分析の結果のまとめです。 → 第1表の文例をもっと見る
多系統萎縮症による運動失調があり、歩行時のふらつきが強く、転倒をくり返している
起立性低血圧があり、立ち上がりや食後、入浴後に、めまいや失神を起こすおそれがある
排尿障害(頻尿・残尿・尿失禁)があり、夜間のトイレへの移動が転倒の要因になっている
睡眠中に大きないびきや、息が止まる様子がみられ、夜間の呼吸状態の観察と主治医との連携が必要である
飲み込みと発話の機能が少しずつ低下しており、むせと、言葉が聞き取りにくい場面が増えている
進行性の病気であり、今後の医療処置や療養の場について、本人の意向を早めに確かめておく必要がある
認定結果の通知に記載があれば転記する欄です。文例はありません(「特になし」等)。
総合的な援助の方針
第1表支援チーム全体の方向性を示す欄です。 → 第1表の文例をもっと見る
ふらつきと立ちくらみによる転倒を防ぎながら、ご本人が自分の力で動ける場面を保てるよう支援します。
夜間の呼吸の状態や飲み込みの変化を、主治医・訪問看護と共有し、変化に早く気づける体制をつくります。
病状の進行を見越して、住環境と福祉用具、サービスを早めに整えます。
ご本人の思いを言葉で伝えられるうちに確かめ、今後の医療や暮らし方について話し合う機会を持ちます。
ご家族の介護負担と不安に配慮し、休息の機会を確保しながら在宅生活を支えます。
訪問介護の生活援助中心型を位置づけるときだけ、1〜3のいずれかを選ぶ欄です。文例はありません。
第2表「居宅サービス計画書(2)」に書く文例
ニーズから長期目標・短期目標・サービス内容へと、つなげて書く欄です。
「サービス内容」と「サービス種別」は分けて書きます(記載要領)
記載要領(老企第29号)では、サービス内容=短期目標の達成に必要なサービスの内容と方針、※1=保険給付の対象なら○、サービス種別=その内容を担う事業者等の種別と事業所名(家族が担う部分は誰が行うか)、と分かれています。この列では文例を内容として載せ、その下に※1の目安と種別の候補(押すとコピー)を付けています。
第2表「居宅サービス計画書(2)」の様式と同じ列の並びです。ニーズ → 長期目標 → 短期目標 → サービス内容 と、左から右へつなげて選んでください。
ニーズ
第2表「生活全般の解決すべき課題(ニーズ)」欄。ご本人主体の表現にしています。 → 第2表の文例をもっと見る
転ばずに、家の中を安全に移動したい
立ちくらみで倒れることなく、身の回りのことを続けたい
夜間も、トイレの心配をせずに過ごしたい
むせずに、口から食事を楽しみたい
自分の思いを、家族や支援者に伝え続けたい
家族に負担をかけすぎずに、自宅で暮らし続けたい
長期目標
第2表おおむね6か月〜1年で目指す状態像です。 → 第2表の文例をもっと見る
転倒することなく、自宅での生活を続けることができる
立ちくらみへの対処を身につけ、失神やけがなく過ごすことができる
排尿の方法を整え、夜間も安心して休むことができる
誤嚥性肺炎を起こさずに、口から食事を続けることができる
病状の変化に合わせた支援を受けながら、家族と自宅で過ごすことができる
短期目標
第2表3か月程度で達成を目指す、具体的で評価しやすい目標です。 → 第2表の文例をもっと見る
歩行器と手すりを使い、見守りのもとでトイレまで移動できる
起き上がりと立ち上がりを、ゆっくり段階を分けて行うことができる
夜間はポータブルトイレ(または尿器)を使い、安全に排泄できる
食事の姿勢と食形態を整え、むせずに食べることができる
文字盤やカードなど、言葉以外の伝え方を試すことができる
睡眠中の呼吸の変化を家族が記録し、主治医・訪問看護に伝えることができる
家族が、週に1回は休息の時間を持つことができる
サービス内容
第2表「サービス内容」欄。内容(何をどうするか)だけを書き、担う事業者等は「サービス種別」欄に書きます。 → 第2表の文例をもっと見る
血圧(寝た姿勢と立った姿勢)と、呼吸・飲み込み・排尿の状態を観察し、変化を主治医に報告する
ふらつきに合わせた歩行と立ち上がりの練習を行い、転びにくい動作の方法を助言する
飲み込みと発話の状態を評価し、食事の姿勢・食形態と、伝え方の工夫を助言する
入浴・排泄・移乗を、立ちくらみとふらつきに注意しながら介助する
歩行器・手すり・特殊寝台・ポータブルトイレを導入し、安全に動ける環境を整える
動線に手すりを取り付け、段差を解消する
家族の休息のために、定期的に短期入所を利用する
難病の医療費助成や障害福祉の制度について、窓口と手続きを整理する
睡眠中のいびきや、息が止まる様子を記録し、変化があれば訪問看護に連絡する
第5表「居宅介護支援経過」に書く文例
訪問して確かめたこと、目標の達成ぐあいを残す欄です。
第5表「居宅介護支援経過」の様式と同じ列の並びです。文例は「内容」の欄に貼ります。
年月日
訪問・電話などを行った日付
項目
「モニタリング」「電話連絡」など、記録の種類
モニタリング
第5表居宅介護支援経過・モニタリング記録に使える表現です。 → 第5表の文例をもっと見る
歩行器の使用で、室内の移動時のふらつきは軽減している。この1か月の転倒はない。
朝の起き上がり時にめまいの訴えがある。ゆっくり段階を分けて起きることを、本人・家族と確認した。
夜間のポータブルトイレの使用が定着し、夜間の転倒はみられていない。
睡眠中のいびきが大きくなったと家族より報告があり、主治医と訪問看護に共有した。
とろみを付けることで、水分でのむせは減っている。食事量と体重は維持できている。
言葉が聞き取りにくい場面が増えている。言語聴覚士と、文字盤の使用を始めた。
短期入所の利用により、家族の休息が確保できている。継続の希望がある。
主任ケアマネの視点:多系統萎縮症の方を担当するときに確かめていること
文例だけでは伝わりにくい、プランを立てる前後に私が確かめていることです。アセスメント・連携・モニタリングに分けています。医療的な判断は、主治医の指示に沿ってください。制度の扱いは、保険者(市町村)の判断や改定で変わることがあります。
アセスメントで確かめること
- ふらつき・立ちくらみ・排尿の困りごとのうち、いま暮らしをいちばん妨げているのはどれか
- 立ちくらみが起きやすい場面(起床時・食後・入浴後・排便後)と、失神したことがあるか
- 睡眠中の大きないびき、息が止まる様子、日中の眠気。家族が気づいていることを具体的に聞く
- 飲み込みと話しにくさの変化、体重の推移
- 今後の医療処置について、主治医からどこまで説明されているか
プランに入れておきたい連携
- 多系統萎縮症は、訪問看護が医療保険で提供される疾病(厚生労働大臣が定める疾病等)に含まれます。支給限度額の組み立てが変わるので、訪問看護ステーションと確認しておく
- 40〜64歳の方でも、多系統萎縮症は介護保険の特定疾病にあたります。指定難病の医療費助成(保健所)や障害福祉の制度(市町村)も、早めに窓口を整理する
- 睡眠中の呼吸の変化は、急を要することがあります。家族から聞いたら、その日のうちに主治医・訪問看護へ伝える流れを決めておく
- 進行に合わせて福祉用具やサービスを前もって準備できるよう、リハビリ職と見通しを共有する
モニタリングで見る変化
- 転倒の回数と、起きた場面(立ち上がり・方向転換・夜間のトイレ)
- 立ちくらみ・失神の有無、食後や入浴後の様子
- いびきや息が止まる様子の変化、日中の眠気
- 食事量・体重・むせ・痰の変化
- 家族の睡眠と疲れ
多系統萎縮症に関連する場面別の文例
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