ケアプラン第2表の書き方と記入例|ニーズ・目標・サービス内容・サービス種別
第2表は「ニーズ → 長期目標 → 短期目標 → サービス内容」が一本の線でつながっているかが問われる様式です。逆に言えば、この流れさえ崩さなければ大きく外すことはありません。書き方の原則と、つながりを崩さないためのポイントを整理しました。
第2表(ニーズ・目標)
最終更新:2026年10月10日/令和6年度介護報酬改定後の制度および現行の居宅サービス計画書標準様式に基づいて作成しています。
この記事の内容
第2表とは何を書く様式か
第2表(居宅サービス計画書(2))は、第1表で示した「総合的な援助の方針」を、具体的な課題・目標・サービスへと落とし込む様式です。第1表が「方向性」なら、第2表は「設計図」にあたります。
- 生活全般の解決すべき課題(ニーズ)
- 目標(長期目標・短期目標と、それぞれの期間)
- 援助内容(サービス内容、保険給付の対象か否か、サービス種別、事業所、頻度、期間)
4つの欄は一本の線でつながっている
第2表で最も大切なのは、横に読んだときに話が通っていることです。次のように、左から右へ自然につながっている必要があります。
- ニーズ:むせずに安全に食事を摂りたい
- 長期目標:誤嚥なく、安全に食事を摂取できる
- 短期目標:とろみ剤を使用し、むせずに水分を摂取できる
- サービス内容:言語聴覚士による摂食嚥下機能の評価・訓練/訪問介護による食事形態の調整
実地指導や事業所内のチェックで最も多い指摘が、この「つながっていない」というものです。ニーズは食事のことなのに目標が入浴の話になっている、目標に対してサービスが対応していない、といったずれがないか、横に読んで確認してください。
ニーズの書き方
ニーズは、課題分析(アセスメント)の結果から導きます。ケアマネジャーが「問題だと思うこと」を並べる欄ではありません。
表現は、ご本人を主語にした肯定的な形にします。「入浴ができない」ではなく「安全に入浴したい」と書くことで、支援の方向がそのまま目標につながります。
- ◯ 一人でトイレに行けるようになりたい
- × 排泄が自立していない(できないことの列挙になっている)
- ◯ 家族の負担を減らしながら在宅生活を続けたい
- × 家族の介護力が不足している(本人不在の表現になっている)
長期目標・短期目標の書き方
長期目標は、そのニーズが解決した状態を表します。期間はおおむね6か月から1年が目安です。
短期目標は、長期目標に至るための段階です。期間はおおむね3か月が目安で、より具体的に、達成できたかどうかが誰の目にも分かる書き方にします。
いずれの期間も、原則として要介護認定の有効期間内に収まるように設定します。
- ◯ 手すりを使用して、一人でトイレでの排泄ができる(達成が確認できる)
- × 健康に過ごすことができる(何をもって達成か分からない)
- ◯ 週2回の通所介護に通い、他者との交流ができる
- × 意欲を持って生活する(評価できない)
サービス内容の書き方
サービス内容には、短期目標を達成するために必要な支援を具体的に書きます。「訪問介護」とだけ書くのではなく、何のために何をするのかが分かる記載にします。
また、介護保険サービスだけでなく、ご家族の支援、近隣の見守り、地域のサロンといったインフォーマルサービスも位置づけることが望ましいとされています。生活は保険サービスだけで成り立っているわけではないためです。
サービス内容とサービス種別は、欄を分けて書く
第2表の「援助内容」は、サービス内容・※1・サービス種別・※2(事業所名)・頻度・期間の6つに分かれています。記載要領(老企第29号「介護サービス計画書の様式及び課題分析標準項目の提示について」)では、次のように書き分けます。
- サービス内容:短期目標の達成に必要であって最適なサービスの内容と、その方針を適切・簡潔に書く。家族等による援助や、必要に応じて保険給付対象外のサービスも明記する。すでに行われていて定着しているサービスも書く
- ※1:サービス内容のうち、保険給付の対象になるものに○を付ける
- サービス種別:そのサービス内容と方針を実行できる居宅サービス事業者等を選び、具体的な種別と事業所名を書く。家族が担う部分は、誰が行うのかを明記する
- 頻度・期間:どの程度の回数・曜日で、いつからいつまで行うか。期間は認定の有効期間も考慮する
つまり「訪問介護による食事介助」とひとつの欄に書くのではなく、サービス内容の欄に「姿勢を整え、一口量とペースに配慮して食事介助を行う」、種別の欄に「訪問介護(身体介護)」と分けます。内容は"何をどうするか"、種別は"誰が担うか"です。
サービス種別の一覧(居宅で使う主なもの)
居宅サービス(※1 ○):訪問介護(身体介護/生活援助/通院等乗降介助)、訪問入浴介護、訪問看護、訪問リハビリテーション、居宅療養管理指導(医師・歯科医師・薬剤師・管理栄養士・歯科衛生士)、通所介護、通所リハビリテーション、短期入所生活介護、短期入所療養介護、特定施設入居者生活介護、福祉用具貸与、特定福祉用具販売、住宅改修
地域密着型サービス(※1 ○):定期巡回・随時対応型訪問介護看護、夜間対応型訪問介護、地域密着型通所介護、認知症対応型通所介護、小規模多機能型居宅介護、看護小規模多機能型居宅介護、認知症対応型共同生活介護、地域密着型特定施設入居者生活介護
医療保険(※1 -):訪問診療・往診、外来受診、訪問歯科診療、訪問看護(医療保険で行う場合)
家族・本人・インフォーマル(※1 -):家族(続柄を書く)、本人のセルフケア、近隣住民・友人、民生委員、自治会・老人クラブ、ボランティア、通いの場・サロン、配食サービス(市町村事業・民間)、緊急通報システム、見守りサービス、移動支援、シルバー人材センター、家事支援(自費)、訪問理美容、介護タクシー、家族介護教室・家族会、日常生活自立支援事業(社会福祉協議会)、地域包括支援センター
文例集の第2表のサービス内容は、この書き分けに合わせて「内容」「※1」「種別の候補」を別々にコピーできるようにしています。
1行分の通し例(ニーズ→目標→サービス内容)6つ
ニーズから長期目標・短期目標・サービス内容までを、第2表の様式と同じ並びで、1行分つなげて書いた例です。欄ごとにコピーできます。目標の期間は、長期目標6か月・短期目標3か月を想定した例です。サービスの種別と頻度は、その方の状態と意向に合わせて決めてください。
夜間の排泄
夜も、転ばずに自分でトイレに行きたい
夜間も、一人で安全にトイレまで移動できる
手すりを使い、見守りのもとで夜間のトイレまで移動できる
①寝室からトイレまでの動線に手すりを置き、足元の照明を整える
②立ち上がりと、手すりを使った歩行の練習を行う
③夜間の移動の様子を妻に聞き取り、ふらつきがあるときは介護支援専門員へ連絡する
①福祉用具貸与(手すり) ②③訪問リハビリテーション(週1回)
入浴
転ぶ心配をせずに、湯船につかってさっぱりしたい
安心して入浴し、清潔を保つことができる
通所介護で、見守りと一部の介助を受けて、週2回入浴できる
①浴室内の移動と浴槽の出入りを見守り、必要なときに手を添える
②背中と足先を洗う介助を行い、手の届く所はご自分で洗っていただく
③入浴の前後に、血圧と体調を確認する
①②③通所介護(週2回・火金)
服薬
薬を忘れずに飲んで、体調を安定させたい
毎日、決まった時間に薬を飲むことができる
服薬カレンダーを見て、声かけを受けながら朝・夕の薬を飲むことができる
①薬を一包化し、服薬カレンダーにセットする
②朝の訪問時に、飲んだことを一緒に確認する。残っているときは声をかけ、介護支援専門員へ報告する
③夕の薬は、長女が電話で声をかける
①居宅療養管理指導(薬局・月2回) ②訪問介護(週5回) ③家族(長女)
歩行・外出
杖を使って、近所の店まで自分で買い物に行きたい
杖を使い、一人で近所の店まで歩いて買い物ができる
屋外を、杖と見守りで続けて10分歩くことができる
①足の筋力をつける運動と、屋外での歩行の練習を行う
②自宅でできる運動を紙にまとめてお渡しし、行えているかを確認する
③週1回、訪問介護員と一緒に店まで歩き、買い物をする
①②通所リハビリテーション(週2回) ③訪問介護(週1回)
食事・調理
得意な料理を続けて、1日3食をしっかり食べたい
自分で献立を決め、1日3食をとって体重を保つことができる
訪問介護員と一緒に、週3回、夕食をつくることができる
①献立を一緒に決め、切ることと味つけはご本人、火の扱いと重い鍋は訪問介護員が行う
②つくり置きを小分けにし、翌日の昼食に回せるようにする
③月1回、体重を量り、減っているときは介護支援専門員へ報告する
①②訪問介護(週3回) ③通所介護(月1回)
家族の休息
家族に無理をかけすぎずに、この家での暮らしを続けたい
家族が休む時間を持ちながら、在宅での生活を続けることができる
月1回、短期入所を利用して、落ち着いて過ごすことができる
①利用の前に、普段の生活のリズムと好みを事業所に伝える
②利用中は日中の活動にお誘いし、夜間は眠りの様子を確認する
③利用のあとに、ご本人の様子と、ご家族が休めたかどうかを聞き取る
①③居宅介護支援 ②短期入所生活介護(月1回・3泊4日)
指摘されやすいポイント
自分で書いた計画を見直すとき、次の点を確認すると多くの問題は防げます。
- ニーズ・目標・サービス内容が横に読んでつながっていない
- 目標が抽象的で、達成したかどうか評価できない
- 先にサービスありきで、そこから逆算して目標が作られている
- 目標期間が認定有効期間を超えている
- 本人の言葉や思いがどこにも反映されていない
- 短期目標が長期目標の単なる言い換えになっている
よくある質問
長期目標はおおむね6か月から1年、短期目標はおおむね3か月が一般的です。ただし絶対的な決まりではなく、ご本人の状態像や課題の性質に応じて設定します。いずれの場合も、要介護認定の有効期間内に収まるようにします。
件数の決まりはありません。優先順位をつけ、ご本人・ご家族が納得できる範囲で整理します。多すぎると焦点がぼやけ、少なすぎると生活全般を捉えきれません。生活の中で本当に困っていることから順に整理するとよいでしょう。
ご家族の支援や近隣の見守り、地域のサロンなども、援助内容として位置づけることが望ましいとされています。介護保険サービスだけで生活が成り立つわけではないため、実際に生活を支えている資源を計画に明記しておくことに意味があります。
ケアマネジャーが一方的に決めるものではありません。ご本人・ご家族と話し合って原案を作り、サービス担当者会議で専門的な見地からの意見を得たうえで確定します。ご本人が納得していない目標は達成されません。