訪問入浴介護のケアプラン文例10選|居宅サービス計画書(第2表)のニーズ・目標・サービス内容
訪問入浴介護の第2表は、「訪問入浴を利用する」「清潔を保つ」の一行で終わってしまいがちです。湯船につかることで、その方の暮らしの何が変わるのか。状態像ごとに、ニーズからサービス内容までを1組にした文例を10組載せました。
訪問入浴介護の文例(ニーズ・目標・サービス内容)
最終更新:2026年10月11日/令和6年度介護報酬改定後の制度に基づき、現行の居宅サービス計画書標準様式に基づいて作成しています。
「ケアプラン」の名前の整理
- 居宅介護支援 → ケアマネジャーが「居宅サービス計画」を作成する。
- 地域密着型サービス(グループホーム、小規模多機能、看護小規模多機能など) → 各事業所が、それぞれの「サービス計画」を作成する。
| サービス | 計画書の名前 |
|---|---|
| 居宅介護支援 | 居宅サービス計画(ケアプラン)このページ |
| 小規模多機能型居宅介護 | 小規模多機能型居宅介護計画 |
| 看護小規模多機能型居宅介護 | 看護小規模多機能型居宅介護計画 |
| グループホーム(認知症対応型共同生活介護) | 認知症対応型共同生活介護計画 |
このページは、ケアマネジャーが居宅サービス計画(第2表)に訪問入浴介護を位置づけるときの文例です。
訪問入浴介護を第2表に位置づけるときの考え方
訪問入浴介護は、看護職員と介護職員が浴槽を自宅に持ち込み、寝たままの姿勢で入浴できるようにするサービスです。自宅の浴室や、通所での入浴が難しい方に使われることが多いサービスです。
ニーズは「清潔を保ちたい」だけにせず、痛みがやわらぐ、よく眠れる、皮膚の状態が保てるなど、入浴がその方にもたらすものから書くと、目標につながりやすくなります。
サービス内容には、入浴の前後の体調の確認、体調がすぐれない日の対応(部分浴や清拭への切り替え)、皮膚の観察と報告の流れを書いておくと、チームで共有しやすくなります。入浴してよいかの目安は、主治医に確かめておくと安心です。
状態像ごとの文例10組
1組ごとに、第2表の様式と同じ並び(ニーズ → 長期目標 → 短期目標 → サービス内容 → サービス種別)で載せています。「コピー」を押すと右下のメモ板にたまります。続柄・道具・時間帯などは、その方のものに置き換えてください。
1. 寝て過ごす時間が長く、自宅の浴槽に入れない方
寝たきりでも、湯船につかってさっぱりしたい
定期的に入浴し、清潔で気持ちよく過ごせる
週1回、体調に合わせて湯船につかることができる
訪問入浴による入浴の介助(洗髪・洗身・更衣)、入浴前後の血圧・体温・脈の確認、体調がすぐれない日は部分浴や清拭に切り替える
訪問入浴介護
2. 床ずれができやすい方
床ずれをつくらず、皮膚をきれいに保ちたい
皮膚のトラブルなく過ごせる
入浴のたびに皮膚の状態を確かめ、赤みがあれば早めに対応を受けられる
入浴時の全身の皮膚の観察(仙骨部・かかと・背中)、保湿剤の塗布、赤みや傷を見つけたときの訪問看護・介護支援専門員への報告
訪問入浴介護
3. 痛みやこわばりが強い方
体を温めて、痛みとこわばりをやわらげたい
痛みがやわらぎ、穏やかに過ごせる時間が増える
入浴のあと、体が楽になったと感じられる
ゆっくり温まれる湯温と時間の調整、痛みの少ない姿勢での移乗と洗身、入浴前後の痛みの様子の聞き取り
訪問入浴介護
4. がんの終末期で、体力が落ちてきた方
体がつらくても、好きだったお風呂に入りたい
最期まで、その人らしく清潔に過ごせる
体調のよい日に、短い時間でも湯船につかることができる
主治医・訪問看護との入浴の可否の確認、短い時間での入浴、体調に合わせた部分浴・清拭への切り替え、ご家族が見守れる時間帯での実施
訪問入浴介護
5. 在宅酸素や胃ろうなど、医療機器を使っている方
管や機器があっても、安心して入浴したい
医療的な管理を続けながら、定期的に入浴できる
看護職員の確認のもとで、安全に入浴できる
看護職員による入浴前後の状態の確認、主治医の指示に沿った機器や管の取り扱い、管が入っている部分の皮膚の観察と保護
訪問入浴介護
6. 介護しているご家族の負担が大きい方
家族に無理をかけずに、お風呂に入りたい
ご家族の負担を減らしながら、清潔を保てる
週2回、ご家族の介助なしで入浴できる
入浴の準備から片づけまでを事業所が行う、入浴の間にご家族が休める時間をつくる、入浴時の様子のご家族への報告
訪問入浴介護
7. 汗をかきやすく、かゆみがある方
かゆみをなくして、ぐっすり眠りたい
かゆみが落ち着き、夜よく眠れる
入浴と保湿で、かき傷が増えない
刺激の少ない洗い方と十分なすすぎ、入浴後の保湿、爪の長さの確認、寝衣とシーツの交換
訪問入浴介護
8. 入浴に緊張が強い方
怖い思いをせずに、気持ちよく入浴したい
入浴を楽しみにできる
声かけを受けながら、落ち着いて湯船につかれる
動作のたびの声かけ、顔なじみの職員での対応、ご本人の好みの湯温、好きな音楽をかけるなど安心できる環境づくり
訪問入浴介護
9. 関節が硬くなり、着替えに時間がかかる方
関節が硬くならないよう、体を動かしておきたい
手足の関節の動きを保ち、着替えや体の向きを変えることが楽にできる
入浴中に、手足をゆっくり動かすことができる
湯船の中での無理のない手足の曲げ伸ばし、更衣のときの関節の動きの確認、動かしにくさが増えたときの報告
訪問入浴介護
10. 退院直後で、体力が戻っていない方
退院後も、無理なく清潔を保ちたい
体力の回復に合わせて、入浴の方法を見直せる
退院後1か月、週1回の入浴を、体調をくずさずに続けられる
入浴前後の体調の確認と記録、疲れが強い日は時間を短くする、通所や自宅の浴室での入浴に移れるかの見きわめを訪問看護・介護支援専門員と共有
訪問入浴介護
よくある質問
Q. 訪問入浴と、訪問介護の入浴の介助は、どう使い分けますか?
自宅の浴室で、介助があれば入れる方は訪問介護、浴室までの移動や浴槽の出入りが難しい方は訪問入浴、と考えると整理しやすくなります。通所での入浴も選択肢です。どれが合うかは、その方の状態と住まいの環境、ご本人の希望で決めます。
Q. 体調がすぐれない日のことは、どう書いておけばよいですか?
サービス内容に「体調がすぐれない日は、部分浴や清拭に切り替える」と書いておくと、当日の判断がしやすくなります。入浴を見合わせる目安は、主治医に確かめた内容を事業所と共有しておくと安心です。
Q. ニーズが「清潔を保ちたい」ばかりになります。
入浴がその方にもたらすものを考えると、書き分けやすくなります。痛みがやわらぐ、よく眠れる、皮膚の状態が保てる、気分が変わる、ご家族の負担が減る、などです。ご本人が入浴について話された言葉があれば、それをニーズに生かします。