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ケアプラン作成の解説

ケアプランの長期目標と短期目標の書き方・記入例30組|期間の決め方・同じ期間でいいのか

「長期目標と短期目標、結局どう書き分けるのか」は、多くのケアマネジャーがつまずくところです。この2つは長さの違いではなく、役割の違いだと捉えると整理しやすくなります。「期間は同じでいいのか」「何か月にするのか」もあわせて整理しました。

第2表(ニーズ・目標)

最終更新:2026年10月5日/令和6年度介護報酬改定後の制度および現行の居宅サービス計画書標準様式に基づいて作成しています。

長期目標と短期目標の役割の違い

長期目標は「ニーズが解決した状態」、短期目標は「そこに至るための段階」です。長期目標がゴール、短期目標はそこへ登るための階段だと考えると分かりやすくなります。

  • 長期目標:おおむね6か月〜1年。ニーズが解決した状態像を書く
  • 短期目標:おおむね3か月。長期目標に近づくための具体的な一段を書く
  • 短期目標を積み上げると長期目標に届く、という関係になっているかを確認する
長期目標短期目標
何を書くかニーズが解決した状態長期目標へ向かう途中の一段
期間の目安おおむね6か月〜1年おおむね3か月〜6か月
書き方ご本人を主語に、暮らしがどうなるか使う道具・介助の量・回数など、条件を入れて具体的に
評価期間の終わりに、達成できたかを確かめるモニタリングのたびに、進み具合を確かめる

期間は目安で、決まりではありません。くわしくは期間は同じでよいかで説明しています。

実際の書き分け例

移動の課題を例にすると、次のような関係になります。

  • ニーズ:転倒せずに、家の中を安全に移動したい
  • 長期目標:転倒することなく、屋内を安全に移動できる(1年)
  • 短期目標:歩行器を使用し、見守りのもとで室内を移動できる(3か月)
  • 次の短期目標:手すりを使用して、一人で室内を移動できる(次の3か月)

短期目標が長期目標の単なる言い換えになっていないかは、よく確認したいところです。「安全に移動できる」と「安全に移動できるようになる」では、段階を示したことになりません。

長期目標と短期目標の記入例30組(場面別)

ニーズ1つに対して、長期目標(解決した状態)と短期目標(そこへ向かう一段)を1組にしています。「コピー」を押すと、右下のメモ板に欄の名前つきでたまります。○の部分や回数は、その方の状態に合わせて書き換えてください。

入浴この場面の文例をもっと見る →

ニーズ自宅の浴槽で、安全に入浴したい

長期目標自宅の浴槽で、週3回入浴することができる

短期目標手すりとバスボードを使い、見守りのもとで浴槽をまたぐことができる

ニーズ清潔を保ち、気持ちよく過ごしたい

長期目標週2回の入浴を続け、皮膚のトラブルなく過ごすことができる

短期目標通所介護で、週2回入浴することができる

ニーズ自分で体を洗い続けたい

長期目標洗身と洗髪を、自分で行うことができる

短期目標柄の長いブラシを使い、背中以外は自分で洗うことができる

排泄この場面の文例をもっと見る →

ニーズトイレでの排泄を続けたい

長期目標日中・夜間ともに、トイレで排泄することができる

短期目標日中は手すりを使い、一人でトイレまで移動できる

ニーズ失敗を気にせずに外出したい

長期目標尿もれを気にせず、週1回は外出することができる

短期目標2〜3時間ごとにトイレへ行く習慣をつけることができる

ニーズ夜間も安心して休みたい

長期目標夜間に転倒することなく、排泄することができる

短期目標夜間はポータブルトイレを使い、安全に排泄できる

食事・栄養この場面の文例をもっと見る →

ニーズむせずに、食事を楽しみたい

長期目標誤嚥性肺炎を起こさずに、口から食事を続けることができる

短期目標食事の姿勢と一口の量を整え、むせずに食べることができる

ニーズ体重を保ち、元気に過ごしたい

長期目標体重を○kg以上に保つことができる

短期目標1日3食のうち、主食を半分以上食べることができる

ニーズ自分で食事の用意を続けたい

長期目標簡単な調理を自分で行い、1日3食とることができる

短期目標ヘルパーと一緒に、週2回は調理を行うことができる

移動・転倒予防この場面の文例をもっと見る →

ニーズ転ばずに、家の中を移動したい

長期目標転倒することなく、屋内を安全に移動できる

短期目標歩行器を使い、見守りのもとで室内を移動できる

ニーズ近所まで歩いて出かけたい

長期目標近所の店まで、歩いて買い物に行くことができる

短期目標シルバーカーを使い、自宅から○○mの距離を休まず歩くことができる

ニーズ自分で立ち上がりたい

長期目標ベッドや椅子から、一人で立ち上がることができる

短期目標手すりにつかまり、見守りのもとで立ち上がることができる

服薬・健康管理この場面の文例をもっと見る →

ニーズ薬を正しく飲みたい

長期目標飲み忘れなく服薬を続け、病状が安定した状態で過ごすことができる

短期目標服薬カレンダーを使い、声かけを受けて朝夕の薬を飲むことができる

ニーズ血糖値を安定させたい

長期目標血糖値が安定し、合併症が進むことなく過ごすことができる

短期目標毎朝の血糖測定とインスリン注射を、見守りのもとで行うことができる

ニーズ再入院せずに過ごしたい

長期目標心不全が悪化することなく、自宅での生活を続けることができる

短期目標毎朝体重を測り、記録することができる

認知症この場面の文例をもっと見る →

ニーズ穏やかに、自宅で暮らしたい

長期目標不安が強まることなく、穏やかに自宅で過ごすことができる

短期目標なじみの職員と過ごし、週3回の通所を続けることができる

ニーズできる家事を続けたい

長期目標洗濯物をたたむ、食器を拭くなどの役割を続けることができる

短期目標家族と一緒に、1日1回は家事に参加することができる

ニーズ安全に外出を楽しみたい

長期目標道に迷うことなく、外出を楽しむことができる

短期目標家族や支援者と一緒に、週2回は散歩に出かけることができる

社会参加・意欲この場面の文例をもっと見る →

ニーズ人と話す機会を持ちたい

長期目標他者との交流を楽しみ、閉じこもらずに過ごすことができる

短期目標週2回、通所介護に通い、ほかの利用者と会話をすることができる

ニーズ趣味を続けたい

長期目標月1回、趣味の集まり(○○)に参加することができる

短期目標自宅で週に1回、○○に取り組むことができる

ニーズ日中は起きて過ごしたい

長期目標生活リズムが整い、日中を活動的に過ごすことができる

短期目標日中に4時間以上、ベッドから離れて過ごすことができる

家事・暮らしこの場面の文例をもっと見る →

ニーズ清潔な部屋で暮らしたい

長期目標住環境が整った状態で、自宅での生活を続けることができる

短期目標ヘルパーと一緒に、週1回は居室の掃除を行うことができる

ニーズ自分で買い物をしたい

長期目標必要な物を、自分で選んで買うことができる

短期目標週1回、ヘルパーと一緒に買い物に行くことができる

ニーズ一人暮らしを続けたい

長期目標見守りを受けながら、一人暮らしを続けることができる

短期目標配食と訪問の機会に、毎日だれかと顔を合わせることができる

医療・痛み・リハビリこの場面の文例をもっと見る →

ニーズ痛みを和らげて過ごしたい

長期目標痛みが和らぎ、穏やかに過ごすことができる

短期目標痛みの程度を伝え、薬の調整を受けることができる

ニーズ麻痺のある手足を動かし続けたい

長期目標関節が固くなることなく、いまの動作を保つことができる

短期目標週2回のリハビリと、毎日の自主練習を続けることができる

ニーズ床ずれをつくらずに過ごしたい

長期目標褥瘡ができることなく、過ごすことができる

短期目標2時間ごとの体位変換と、体圧を分散するマットレスの使用を続けることができる

家族・介護負担この場面の文例をもっと見る →

ニーズ家族も休みながら、介護を続けたい

長期目標家族が無理なく、在宅介護を続けることができる

短期目標月1回の短期入所を利用し、家族が休息をとることができる

ニーズ安全な介助の方法を知りたい

長期目標家族が安全な介助の方法を身につけ、不安なく介護できる

短期目標移乗の介助方法を、リハビリの職員から教わることができる

ニーズ最期まで家で過ごしたい

長期目標苦痛が少なく、家族に囲まれて自宅で過ごすことができる

短期目標体調の変化があったとき、家族が訪問看護にすぐ連絡できる

ここにない場面は、第2表の文例集(408件)で、場面と欄を選んで探せます。ニーズを入れると目標と援助内容まで下書きする第2表AIもあります。

期間の決め方と認定有効期間

目標期間は、原則として要介護認定の有効期間内に収まるように設定します。認定の更新をまたぐ期間を設定すると、区分変更などがあったときに計画と実態がずれてしまいます。

また、期間は「なんとなく6か月」ではなく、その期間で達成が見込めるかどうかで決めます。状態が変わりやすい方であれば短めに設定し、こまめに見直すほうが実態に合います。

長期目標と短期目標の期間は同じでよいか

「長期目標と短期目標の期間は同じでいいのか」は、検索でもよく調べられている疑問です。結論から言うと、同じ期間にしてはいけないという定めはありません。ただし、同じにすると短期目標が「段階」ではなく長期目標の言い換えになりやすいので、分けられるなら分けたほうが評価はしやすくなります。

記載要領(老企第29号)では、長期目標の「期間」はニーズをいつまでに、どのレベルまで解決するのかの期間、短期目標の「期間」は長期目標の達成のために踏むべき段階として設定した短期目標の達成期限、と書き分けられています。期間の設定にあたっては認定の有効期間も考慮すること、期間は原則として開始時期と終了時期を記入することも、同じ記載要領に書かれています。

実務でよく使われる組み合わせは次のとおりです。何か月にするかの決まりはなく、その期間で達成が見込めるかどうかで選びます。

  • 長期目標 12か月 / 短期目標 6か月:状態が安定していて、認定有効期間が1年以上ある方
  • 長期目標 6か月 / 短期目標 3か月:新規申請や区分変更の直後で、認定有効期間が短い方。短期目標は3か月ごとに2段に分けると段階を表しやすい
  • 長期目標 6か月 / 短期目標 1か月:退院直後など、状態が変わりやすく見通しが立てにくい方。短めに切って、こまめに見直す

認定有効期間の残りが少なく、長期目標と短期目標の終了日をそろえざるを得ない場面もあります。その場合でも、短期目標の内容を「到達の手前の一段」(使う道具、介助の量、頻度など)にしておけば、終了日が同じでも評価の観点は保てると感じています。

期間の書き方は「令和8年10月1日〜令和9年3月31日」のように、開始日と終了日を入れる形が基本です。「6か月」とだけ書くより、モニタリングでいつ評価するのかがはっきりします。運用の細部は保険者によって異なることがあるため、迷う場合は確認してください。

評価できる目標の書き方

目標は、期間が来たときに「達成できた/できなかった」を判断できる必要があります。判断できない目標は、モニタリングで評価しようがありません。

  • ◯ 週2回の通所介護に通い、他者との交流ができる
  • × 社会参加の機会を持つ(何回・どこでが不明)
  • ◯ 声かけにより、朝夕の服薬ができる
  • × 健康管理ができる(範囲が広すぎる)
  • ◯ 日中に4時間以上、離床することができる
  • × 生活が活性化する(評価不能)

目標期間が終わったら

期間が終了したら、達成できたかどうかを評価します。達成できていれば次の段階の目標へ、達成できていなければ、目標が高すぎたのか、サービスが合っていなかったのか、状態が変化したのかを検討します。

達成できなかったこと自体は問題ではありません。そのまま同じ目標を期間だけ延ばして書き写すことのほうが、実務としては避けたいところです。

よくある質問

Q. 短期目標の期間は必ず3か月にしなければいけませんか?

決まりはありません。3か月はあくまで目安です。状態が変わりやすい方や、退院直後で見通しが立てにくい方であれば1か月程度で設定することもあります。その期間で達成を見込めるかどうかで判断します。

Q. 長期目標と短期目標の期間は同じでもよいですか?

同じにしてはいけないという定めはありません。記載要領では長期目標の期間は「ニーズをいつまでにどのレベルまで解決するか」、短期目標の期間は「その段階の達成期限」とされ、認定の有効期間を考慮して設定します。認定有効期間が短く終了日をそろえる場合でも、短期目標の内容を到達手前の一段にしておくと評価しやすくなります。

Q. 長期目標と短期目標が同じ内容になってしまいます。

長期目標を「解決した状態」、短期目標を「そこへ向かう途中の一段」として考えると分けやすくなります。短期目標には、使う道具や介助の量、頻度など、具体的な条件を入れると段階が表現しやすくなります。

Q. 目標期間が認定有効期間を超えてしまう場合はどうしますか?

原則として認定有効期間内に収めます。超える場合は期間を区切り直すか、更新のタイミングで見直す前提で設定します。運用の細部は保険者によって異なる場合があるため、迷う場合は確認してください。

Q. 短期目標の期間が切れたら、どうすればよいですか?

期間が終わる前に、モニタリングで達成できたかを評価します。達成できていれば次の段階の短期目標へ、できていなければ、目標・サービス・状態のどこに理由があるかを検討します。評価をせずに、同じ目標の期間だけを延ばすことは避けたいところです。目標の変更が軽微な変更にあたるかどうかは、保険者の考え方を確認してください。

Q. 長期目標・短期目標は、1つのニーズにいくつ書けますか?

数の決まりはありません。1つのニーズに長期目標1つ、短期目標1〜2つが、評価しやすい形です。短期目標が多すぎると、モニタリングで確かめきれなくなります。

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春名太郎 監修・作成:春名 太郎主任介護支援専門員/在宅医療クリニック 統括/HARUIRO LLC

ケアマネジャー最大15名が在籍する居宅介護支援事業所(特定事業所加算Ⅰ)で管理者を務め、自らも50名以上の利用者を担当してきました。現在は在宅医療クリニック 統括として、医療と介護の連携に運営の立場から関わっています。記録に何年も苦しんだ経験と、医療の側から見える連携の視点をあわせて、このツールをつくっています。介護職員初任者研修・実務者研修(介護過程Ⅲ)の講師。
掲載している文例は実務での使いやすさを基準に整理していますが、必ずご本人の状態・意向と保険者のルールに合わせて修正してお使いください。
開発の経緯と運営者情報 → / 𝕏 @TaroHaruna
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