施設・グループホームのケアプランの書き方|施設サービス計画書と居宅との違い・目標期間
居宅から施設のケアマネジャーに移ると、様式も、生活の場も、チームの顔ぶれも変わります。施設サービス計画書は第1表から第6表まであり、居宅にはない日課計画表があります。グループホームは様式が自由で、逆に何を書けばよいか迷います。居宅との違いを軸に、施設のケアプランで押さえる点を整理しました。
場面別(看取り・施設・予防・変更・災害)
最終更新:2026年10月10日/令和6年度介護報酬改定後の制度および現行の居宅サービス計画書標準様式に基づいて作成しています。
この記事の内容
居宅と施設で何が違うか
施設サービス計画書(特養・老健・介護医療院)は、居宅サービス計画書と同じ考え方で作られていますが、様式の構成が違います。
- 第1表 施設サービス計画書(1):意向を踏まえた課題分析の結果、認定審査会の意見、総合的な援助の方針
- 第2表 施設サービス計画書(2):ニーズ、長期目標・短期目標、サービス内容、担当者、頻度、期間
- 第3表 週間サービス計画表
- 第4表 日課計画表:居宅にはない様式。1日の流れの中で、共通のサービスと個別のサービスを書く
- 第5表 サービス担当者会議の要点
- 第6表 施設介護支援経過
もう1つの違いは、生活の場が施設であることです。24時間を施設のチームが担うため、サービス内容の主語は事業所ではなく「介護職員」「看護職員」「管理栄養士」といった職種になります。第2表の担当者欄には、その職種を書きます。
第1表:方針は「多職種チーム」で書く
施設の総合的な援助の方針は、居宅と同じく「本人の望む暮らし」「チームで大切にすること」「急変時の対応」の3つですが、チームの中身が施設内の職種になります。誰が何を担うかが読めるように書くと、現場の職員が自分の役割を計画から読み取れます。
「人に迷惑をかけず、静かに暮らしたい」というご本人の思いを尊重し、介護職員・看護職員・管理栄養士・機能訓練指導員が連携して、ご本人のペースを守った生活を支援します。持病の心不全については看護職員が日々の体調を観察し、変化があれば嘱託医に速やかに報告します。
ご本人の「自分の足で食堂まで行きたい」という希望を大切に、機能訓練とフロアでの見守り歩行を組み合わせて、歩く力を保てるよう支援します。転倒のリスクは多職種で共有し、環境の整備と声かけで安全を確保します。ご家族には月1回、生活の様子をお伝えします。
認知症により不安が強くなる時間帯があるため、ユニットの職員が表情や言動の変化を共有し、落ち着いて過ごせる関わりを統一します。ご本人が長年続けてきた裁縫や歌を日課に取り入れ、役割と楽しみのある生活を支援します。
第2表:サービス内容が「業務一覧」にならないように
施設の第2表で最も多い指摘は、サービス内容が「食事介助」「入浴介助」「排泄介助」と、業務の一覧になっていることです。それでは誰の計画でも同じになります。この方には何を、どのように行うのかを、ニーズと目標につなげて書きます。
自分の足で食堂まで行き、みんなと一緒に食事をしたい
不安な気持ちが強くなっても、落ち着いて過ごせるようになりたい
職員の見守りのもと、歩行器で食堂まで移動できる(3か月)
夕方の不安が強い時間帯に、職員の声かけで落ち着いて過ごせる(3か月)
食事前に職員が声をかけ、歩行器で食堂まで見守り歩行を行う。ふらつきがあるときは腕を支え、無理はしない。歩行の様子は介護記録に残し、機能訓練指導員と共有する
夕方(16時頃)に不安な表情がみられたら、職員が隣に座って話を聞き、ご本人の好きな歌を一緒に口ずさむ。落ち着かない場合は居室で休めるよう環境を整える
目標の期間:施設では長くなりがち
施設では要介護認定の更新期間が長くなることが多く(状態が安定していれば最長48か月)、目標期間も長く設定しがちです。ただ、記載要領の考え方は居宅と同じで、期間は「その期間で達成が見込めるか」で決めます。認定期間の長さに合わせて長期目標を2年、3年と伸ばすと、評価の機会が遠のきます。
- 長期目標は6か月〜1年、短期目標は3か月程度を目安にし、少なくとも短期目標の期間ごとに評価する
- 状態が安定している方でも、半年に1回は計画全体を見直す機会をもつ
- 入所直後は生活の変化が大きいため、短期目標を1か月程度にして早めに見直す
グループホームの計画(認知症対応型共同生活介護計画)
グループホームには国の標準様式がなく、計画作成担当者が独自の様式または居宅の第1表・第2表に準じた様式で作成する事業所が多くあります。様式が自由なぶん、何を書くかは居宅の記載要領を参考にすると整理しやすくなります。
認知症の方の意向は、本人の言葉だけでなく、表情や行動、生活歴から読み取ります。「昔は毎朝、庭の花に水をやっていた」という生活歴が、共同生活の中での役割(花の水やり)と目標につながります。
- ご本人の生活歴と、共同生活の中で担える役割を計画に入れる
- 不安や混乱が出やすい時間帯と、そのときの関わり方を職員間で統一できるように書く
- 医療連携体制のもと、看護師との連携や受診の付き添いを誰が担うかを明記する
- 目標期間は3〜6か月程度にし、状態の変化に合わせてこまめに見直す
グループホームの計画の文例(11本)
生活歴と、共同生活の中での役割を手がかりにした文例です。欄の名前や様式は事業所によって異なりますので、お使いの様式の欄に合わせてお使いください。
総合的な援助の方針
「ここで、みんなとにぎやかに暮らしたい」というご本人の思いを大切に、食事の盛りつけや洗濯物たたみなど、これまで続けてこられた家事を、共同生活の中の役割として続けていただけるよう支援します。夕方に落ち着かなくなるときは、職員が同じ声かけで関わります。体調に変化があったときは、看護師と協力医療機関(○○クリニック:000-000-0000)に連絡し、ご家族(長女:000-000-0000)へお伝えします。
言葉で思いを伝えることが難しくなっているため、表情やしぐさ、これまでの暮らしぶりからご本人の気持ちをくみ取り、職員の間で共有します。好きな歌や、ご家族の写真を手がかりに、安心して過ごせる時間を増やします。食事と水分の量、睡眠の様子を毎日記録し、変化があれば早めに看護師・主治医に相談します。
ニーズ
みんなの食事の準備を手伝って、役に立ちたい
夕方になっても、不安にならずに落ち着いて過ごしたい
昔のように、庭の花の世話を続けたい
短期目標
職員と一緒に、昼食の盛りつけと配膳ができる
夕方、職員と一緒にお茶を飲みながら、落ち着いて過ごせる
毎朝、職員と一緒に花の水やりができる
サービス内容
昼食の前に職員が声をかけ、盛りつけをお願いする。手順は一つずつ伝え、終わったら「助かりました」と言葉で伝える。包丁と火は職員が扱う。
16時頃から、職員が隣に座ってお茶をお出しし、ご家族の写真や昔の仕事の話をうかがう。「帰る」と立ち上がったときは、否定せずに、玄関先まで一緒に歩く。
朝食のあと、職員がじょうろを用意して声をかける。足元が不安定なため、職員がそばに付き添う。花の様子を話題にして、ほかの入居者との会話につなげる。
日課計画表(第4表)と週間サービス計画表
日課計画表は、1日の時間軸に沿って、施設の全員に共通するサービス(食事、入浴日、レクリエーション)と、その方だけの個別のサービス(個別機能訓練、水分の促し、見守り歩行)を分けて書く様式です。第2表のサービス内容が、1日のどこで実際に行われるかを示す役割があります。
週間サービス計画表は、通所やリハビリなど週単位で組まれるサービスと、家族の面会や外出など週単位以外の予定を入れます。第2表・日課計画表・週間サービス計画表の3つで内容が食い違わないよう、計画を変えたときは3つを同時に直します。
よくある質問
必要です。施設サービス計画の作成にあたっても、運営基準でサービス担当者会議の開催が求められています。参加者は施設内の多職種が中心になりますが、ご本人・ご家族の参加や意向の確認は居宅と同じく欠かせません。要点は第5表(サービス担当者会議の要点)に残します。
入所時点では情報が限られるため、入所前の情報(居宅のケアプラン、病院からの情報提供書)をもとに暫定的な計画を作り、1か月程度で生活の様子を確認して見直す運用が多いと感じます。暫定の段階でも、本人・家族への説明と同意は必要です。
グループホームの計画には国の標準様式がないため、居宅の様式に準じた形で作成している事業所は少なくありません。様式そのものより、本人の意向・課題・目標・支援内容がつながっていること、本人・家族に説明し同意を得ていることが確認されます。
居宅の「サービス種別」「事業所」にあたる欄で、その内容を担う職種(介護職員、看護職員、管理栄養士、機能訓練指導員など)を書きます。家族が担う部分があれば「家族」と書き、誰が行うかを明確にします。