ケアプランの「軽微な変更」と暫定ケアプラン|担当者会議を省略できる範囲と記録の残し方
「この変更は、担当者会議をやり直す必要があるのか」は、毎週のように出てくる判断です。国が示した軽微な変更の考え方を押さえると、省略できる手続きと、それでも残すべき記録がはっきりします。あわせて、認定申請中に使う暫定ケアプランの扱いも整理しました。
場面別(看取り・施設・予防・変更・災害)
最終更新:2026年10月10日/令和6年度介護報酬改定後の制度および現行の居宅サービス計画書標準様式に基づいて作成しています。
軽微な変更とは何か
平成22年7月30日の介護保険最新情報Vol.155「ケアプランの軽微な変更の内容について」で、次の場合が軽微な変更にあたりうるとされています。いずれも「利用者の状況以外の原因で、目標やサービスの内容が変わらない」ことが前提です。
- サービス提供の曜日の変更(利用者の体調不良や家族の都合など臨時的なもの)
- サービス提供の回数の変更(同一事業所での週1回→週2回など)
- 利用者の住所変更
- 事業所の名称変更
- 目標期間の延長(目標もサービスも変わらず、期間だけを延ばす)
- 福祉用具で同等の用具に変更するに際して単位数のみが異なる場合
- 目標もサービスも変わらない、単なる事業所の変更
- 目標を達成するためのサービス内容が変わるだけの場合
- 担当介護支援専門員の変更
ただし、通知にも「軽微な変更に該当するかは、変更する内容が実質的に上記に該当するかで判断する」とあります。形式が当てはまっても、実態として目標やサービスの見直しが必要なら軽微ではありません。
軽微なら何を省略でき、何を残すか
軽微な変更にあたる場合は、アセスメント → 原案作成 → サービス担当者会議 → 説明・同意 → 交付という一連の業務を、必ずしも行う必要がないとされています。一方で、次のことは残します。
- 本人・家族への説明と同意:口頭でも構わないが、説明した日と同意を第5表に書く
- 変更の内容と理由:何を、なぜ変えたかを第5表に書く。軽微と判断した根拠も一言添える
- 関係する事業所への共有:変更を伝えた日と相手を第5表に書く
- 計画書の修正:第2表・第3表の該当箇所を修正する。見え消しか差し替えかは保険者のルールに従う
軽微ではない典型
- 本人の状態変化に伴う目標の変更(退院後、認知症の進行、転倒後など)
- 新しいサービスの追加(訪問看護の導入、短期入所の開始)
- 回数の変更でも、その理由が状態変化にあり、目標の見直しが必要な場合
- 要介護度の変更(区分変更・更新で区分が変わった場合)
- 目標期間が終了し、達成状況の評価を経て次の目標を立てる場合
迷ったときは「なぜ変えるのか」を考えます。理由が本人の状態にあるなら、原則として一連の業務が必要です。
暫定ケアプランとは
新規申請や区分変更申請の結果が出る前に、サービスを使い始める必要がある場合、見込みの要介護度で作る計画が暫定ケアプランです。認定結果は申請から30日以内に出ることになっていますが、実際にはそれ以上かかることも珍しくありません。
- 見込みの区分で計画を作り、本人・家族には「認定結果によって自己負担が変わる可能性がある」ことを説明し、同意を得る
- 暫定であっても、アセスメント・担当者会議・説明・交付の一連の業務は行う
- 認定結果が見込みどおりなら、そのまま本計画として扱えるかを保険者に確認する(軽微な変更として扱う保険者が多い)
- 要支援と要介護が入れ替わった場合は、給付の種類が変わるため、計画の作り直しと、保険者への確認が必要
- 限度額を超える利用があった場合の自己負担について、あらかじめ説明しておく
記録文をつくる(変わった内容を入れるだけ)
変更の種類を選んで、変わった内容を入れると、支援経過(第5表)に残す文が下にできあがります。できた文は、その場で直せます。「コピー」を押すと、右下のメモ板にも入ります。
変える理由がご本人の状態の変化にあるときは、原則として、アセスメントからの一連の手続きが必要です(上の「軽微ではない典型」)。当てはまらないことを確かめたら、上の印を付けてください。迷うときは、保険者に確かめておくと安心です。
できた記録文(直せます)
この道具は、決まった型に当てはめて文を組み立てるだけです。軽微な変更に当たるかどうかの判断はしません。取扱いは保険者によって違うことがあります。入れた内容は、この画面の中だけで使い、どこにも送りません。
記録の例
第5表に残す記録の例です。「コピー」でメモ板にため、AI記録ツールで整えられます。
○月○日 本人より電話。通院日の変更に伴い、通所介護を木曜から金曜に変更したいと希望。目標・サービス内容に変更はなく曜日の変更のみのため、軽微な変更として扱う。本人に説明し同意を得た。通所介護○○へ連絡し○月○日から変更、第3表を差し替え、各事業所へ通知。
○月○日 要介護認定の区分変更申請中(見込み:要介護2)。認定結果が出るまでの間、暫定ケアプランでサービスを開始することを本人・長女に説明。認定結果により自己負担が変わる可能性があることも説明し、同意を得た。○月○日にサービス担当者会議を開催予定。
○月○日 認定結果通知(要介護2、有効期間○年○月○日〜○年○月○日)。暫定ケアプランの見込みと同じ区分のため、保険者に確認のうえ、暫定計画を本計画として継続する。本人・長女に結果と計画の継続を説明し同意を得た。各事業所へ認定結果を連絡。
○月○日 短期目標の期間終了。目標「声かけにより朝夕の服薬ができる」は、飲み忘れが週1回程度まで減少しており、あと1か月継続すれば達成が見込めると判断。目標・サービス内容は変更せず期間のみ○月○日まで延長。本人・家族に説明し同意、各事業所へ共有。
場面ごとの記録の例(10本)
回数・曜日・住所・事業所の名称・福祉用具・担当者の変更など、場面ごとの書き方の例です。軽微な変更として扱えるかどうかは、保険者によって取扱いが異なることがあります。迷うときは保険者に確かめ、確かめたこと自体も記録に残しておくと安心です。最後の2本は、軽微な変更に当たらないと判断したときと、保険者に確認したときの例です。
○月○日 長女より電話。○月○日の週は長女が出張で不在になるため、その週のみ通所介護を週2回から週3回にしたいとの希望。一時的な回数の変更で、目標・サービス内容に変更はないため、軽微な変更として扱う。通所介護○○へ連絡し、受け入れ可能と確認。本人・長女に説明し同意を得た。利用票を修正し、各事業所へ通知。
○月○日 本人より電話。通院の曜日が変わったため、訪問介護を火曜から水曜に変更したいと希望。目標・サービス内容に変更はなく、曜日の変更のみのため、軽微な変更として扱う。本人に説明し同意を得た。第3表の該当する箇所を見え消しで修正し、変更日と理由を記入。訪問介護○○へ交付。
○月○日 本人より連絡。同じ集合住宅の2階から1階の部屋へ転居した(○月○日)。訪問して生活の様子を確認し、心身の状態・目標・利用するサービスに変更はないことを確認。住所の変更のみのため軽微な変更として扱い、第1表の住所を修正。各事業所へ新しい住所を通知。
○月○日 通所介護○○より、○月○日付で事業所の名称が変わるとの連絡。事業所番号・サービス内容・担当者に変更はない。名称の変更のみのため軽微な変更として扱い、第2表・第3表の事業所名を修正。本人・長女に説明し同意を得た。
○月○日 福祉用具貸与事業所○○より、貸与中の歩行器が製造終了となるため、同じ機能の後継の機種に替えたいとの連絡。用具の種目と使用の目的に変更はなく、単位数のみが変わる。軽微な変更として扱い、本人に説明し同意を得た。利用票・別表を修正。
○月○日 訪問介護○○より、人員の都合で、○月末をもって木曜の訪問が続けられないとの連絡。本人に説明し、同じ内容・同じ曜日で対応できる訪問介護△△への変更を希望された。目標・サービス内容に変更はなく、利用者の状況以外の理由による事業所の変更のため、保険者の取扱いを確認のうえ、軽微な変更として扱う。新しい事業所に計画を交付し、サービス内容を引き継いだ。
○月○日 通所介護○○より、平行棒内の歩行が安定したため、歩行器での歩行練習に進めたいとの連絡。短期目標「歩行器で屋内を移動できる」に沿った内容の変更で、ニーズ・目標・サービス種別に変更はないため、軽微な変更として扱う。本人に説明し同意を得た。第2表のサービス内容を修正し、通所介護へ交付。
○月○日 事業所内の担当替えにより、○月○日から担当の介護支援専門員が○○から△△に変わる。○月○日、新旧の担当者が同行して訪問し、本人・長女に説明して同意を得た。新しい担当者は、各サービスの担当者とも面識がある。計画の内容に変更はないため軽微な変更として扱い、第1表の作成者を修正して各事業所へ通知。
○月○日 長女より、訪問介護を新たに利用したいとの相談。入浴に介助が必要になっており、アセスメントの結果、ニーズと目標の見直しが必要と判断。新しいサービスの追加であり、軽微な変更には当たらないため、○月○日にサービス担当者会議を開催することとし、各事業所へ日程を連絡。
○月○日 通所介護の利用時間の変更(1日の利用時間を1時間延ばす)が軽微な変更に当たるか、判断に迷ったため、○○市介護保険課(担当:○○氏)へ電話で確認し、軽微な変更として扱ってよいとの回答を得た。回答の内容と日時を記録。本人・長女に説明し同意を得た。第2表・第3表を修正し、通所介護○○へ交付。
記入例をためて、AIに仕上げてもらう
気になる記入例の「コピー」を押すと、画面の右下のメモ板にたまります。そのままAI記録ツールを開いて「AIのメモ欄に入れる」を押し、その方の様子を一言足せば、AIが第5表の記録に整えます。登録もインストールもいりません。
AI記録ツールを開く →よくある質問
回数の決まりはありません。ただ、達成できていない理由を検討せずに期間だけを延ばし続けることは、運営指導で指摘されやすい点です。延長するときは「あと○か月で達成が見込める根拠」を第5表に書き、それが言えないなら目標そのものを見直します。
必要です。一連の業務を省略できるのは手続きの話で、本人・家族が知らないうちに計画が変わることは認められません。口頭の説明で構いませんが、説明した日と同意を第5表に残します。
変更内容を関係する事業所に共有することは必要です。修正した計画書を交付するか、変更点の連絡で足りるかは保険者の運用によって違うため、確認しておきます。第3表の曜日変更などは、差し替えた第3表を送る事業所が多いと感じます。
給付の種類が居宅介護支援から介護予防支援に変わるため、計画を介護予防サービス・支援計画書に作り直し、担当の扱い(包括への引き継ぎか、自事業所の介護予防支援か)を整理します。暫定期間中に使ったサービスの扱いは保険者の判断によるため、速やかに確認します。