総合的な援助の方針の文例30選|ケアプラン第1表の書き方と記入例
総合的な援助の方針は、第1表の中でいちばん「定型文」になりやすい欄です。誰の計画にも同じ一文が入っていると、運営指導では真っ先に目をつけられます。記載要領が求めているのは、ニーズに対してチームがどう動くかという方向性です。書き出しの型と、状態別の記入例10本をまとめました。
第1表(意向・課題分析・援助の方針)
最終更新:2026年10月6日/令和6年度介護報酬改定後の制度および現行の居宅サービス計画書標準様式に基づいて作成しています。
記載要領が求めていること
記載要領(老企第29号)では、この欄について、課題分析により抽出されたニーズに対応して、介護支援専門員をはじめ各サービス担当者がどのようなチームケアを行おうとするのか、総合的な援助の方針を記載する、とされています。あわせて、発生する可能性が高い緊急事態が想定される場合は、対応機関やその連絡先等を記載することが望ましい、とあります。
つまり主語は「チーム」です。本人の希望を書く欄でも、サービス名を並べる欄でもなく、「この方に対して、私たちはこう関わる」を書きます。
書き出しの型
3つの要素を順に並べると、定型文から抜けられます。
- ①本人が望む暮らし:課題分析の結果で書いた意向を、一言で受け直す(「〜という希望を尊重し」)
- ②チームで大切にすること:ニーズに対して、どの方向で支えるか(「〜を柱に」「〜を優先して」)
- ③医療・緊急時の連携:持病や急変の可能性がある方は、誰にどう連絡するかまで書く
①は本人、②はチーム、③は安全網です。3つがそろえば、第2表のニーズと方針のつながりも自然に読めるようになります。
記入例(状態別10本)
「コピー」を押すと右下のメモ板にたまります。AI記録ツールの「AIのメモ欄に入れる」で、その方の状況に合わせて書き換えられます。連絡先は必ずその方のものに置き換えてください。
「住み慣れた家で一人の生活を続けたい」というご本人の希望を尊重し、認知症による物忘れがあっても安全に暮らせるよう、服薬と食事の確認、火の元の見守りを中心に、訪問介護・通所介護・ご家族が連携して支援します。異変に気づいた事業所は速やかにケアマネジャーへ連絡し、長女(電話:000-000-0000)と共有します。
「もう一度自分の足で外を歩きたい」という目標に向けて、通所リハビリでの歩行訓練と、自宅での転倒予防を柱に支援します。血圧の変動については訪問看護が観察し、主治医(○○医院:000-000-0000)と連携します。ご本人の意欲を大切に、できたことを本人・家族・チームで共有していきます。
転倒への不安から外出を控えている状況に対し、住環境の整備と歩行の安定を優先し、安心して動ける範囲を少しずつ広げていけるよう支援します。転倒時は救急要請とあわせて長男(電話:000-000-0000)へ連絡し、主治医に報告します。
ご本人の在宅生活を続けるために、主介護者である長女の負担軽減を最優先とし、短期入所と訪問介護を組み合わせて、長女が休息と仕事の時間を確保できるよう支援します。ご本人の夜間の様子は各事業所で共有し、変化があれば早めに計画を見直します。
糖尿病の合併症を防ぐため、服薬・インスリン注射・食事の自己管理を医療と介護が協力して支えます。血糖値や受診状況は訪問看護が把握し、主治医(○○クリニック:000-000-0000)へ定期的に報告します。ご本人の「好きなものを食べたい」気持ちも尊重しながら、無理のない範囲で続けられる方法を一緒に探します。
妻との死別後、外出と会話の機会が減っている状況に対し、通所介護での交流と生活リズムづくりを通して、心身の機能低下を防ぎます。ご本人のペースを大切にし、無理に参加を促すのではなく、楽しみを見つけられる関わりをチームで心がけます。
ご本人の「最期まで自宅で過ごしたい」という意思とご家族の思いを尊重し、苦痛の緩和と穏やかな時間を最優先に、主治医・訪問看護・介護サービスが連携して支援します。急変時は訪問看護(000-000-0000、24時間対応)へ連絡し、訪問看護から主治医へ報告します。ご家族の不安や疲労にも目を向け、必要な支援を速やかに調整します。
退院直後で体力が低下しているため、当面は自宅での生活に慣れることを目標に、訪問看護による体調観察と訪問介護による生活支援を組み合わせて支援します。再入院の兆候(発熱、食事量の低下、息切れ)がみられた場合は、訪問看護から主治医(○○病院:000-000-0000)へ速やかに連絡します。
ご夫婦二人での生活を続けたいという希望を尊重し、お二人それぞれの状態に合わせた支援を組み合わせます。夫の通院と妻の家事負担が重ならないよう、サービスの曜日を調整し、離れて暮らす長男(電話:000-000-0000)とも月1回、状況を共有します。
精神的な不調により生活リズムが乱れやすい状況に対し、ご本人の安心を第一に、決まった時間の訪問と声かけで生活の土台を整えていきます。服薬と受診は訪問看護と精神科(○○病院:000-000-0000)が連携して支え、体調の波があるときは無理に活動を促さず、チームで見守ります。
場面別の文例20本(認知症・独居・老老介護・医療・看取り)
よく出会う5つの場面ごとに、4本ずつ載せています。①本人が望む暮らし → ②チームで大切にすること → ③医療・緊急時の連携、の順で書いてあります。「コピー」を押すと、右下のメモ板にたまります。続柄・サービスの種類・連絡先は、かならずその方のものに置き換えてください。
認知症
「家族と一緒に、この家で暮らし続けたい」というご本人の思いと、「できるだけ家でみたい」というご家族の思いを大切に、夕方の落ち着かなさには同じ声かけで対応できるよう、ご家族・通所介護・訪問介護で関わり方をそろえます。ご家族が休める時間を確保するため、短期入所を定期的に利用します。様子に急な変化があったときは、主治医(○○クリニック:000-000-0000)へ相談します。
ご本人がこれまで続けてきた家事や畑仕事を、できる形で続けられるよう、手順をひとつずつ伝える関わりをチームで統一します。うまくいかなかった所を指摘するのではなく、できた部分を言葉にして伝えます。服薬は訪問介護と薬局が確認し、飲み忘れが続くときは主治医に報告します。
外へ出て歩くことはご本人の大切な習慣であるため、止めるのではなく、安全に続けられる方法をチームで考えます。通所介護での散歩と、ご家族の付き添いを組み合わせます。一人で出かけたときに備えて、お住まいの地域の見守りの仕組みと、連絡先(長男:000-000-0000)を関係者で共有します。
もの忘れへの不安を抱えながらも「自分のことは自分で決めたい」というご本人の思いを尊重し、予定や服薬は、カレンダーやメモなど見て分かる形に整えて、ご自分で確かめられるよう支援します。今後の暮らし方については、ご本人が話せるうちに、ご家族・主治医と一緒に考える機会を持ちます。
独居(一人暮らし)
一人暮らしを続けたいというご本人の意思を尊重し、訪問介護・配食・通所介護の利用日をずらして、毎日だれかが様子を確かめられる体制をつくります。訪問時に応答がないとき、連絡が取れないときは、ケアマネジャーから長女(電話:000-000-0000)へ連絡し、安否を確認します。
ご家族が遠方にお住まいのため、日々の体調の変化は訪問介護と訪問看護が把握し、ケアマネジャーが月1回、次男(電話:000-000-0000)へ状況をお伝えします。急な体調不良のときは、緊急通報装置から通報し、主治医(○○医院:000-000-0000)の指示を受けます。
買い物と調理が負担になり、食事が簡単なもので済みがちな状況に対し、訪問介護による調理と配食を組み合わせ、1日3食をとれる環境を整えます。ご本人が続けてきた味つけや献立を大切にし、できる工程はご一緒に行います。体重の減少が続くときは、主治医に相談します。
書類の手続きや支払いに不安があるため、必要な手続きを一つずつ一緒に確かめます。日常の金銭管理については、ご本人の意向を確かめたうえで、利用できる制度を地域包括支援センターと検討します。近所の方や民生委員とのつながりを大切にし、気になる様子があれば、ケアマネジャーに知らせてもらえる関係をつくります。
老老介護
「夫婦で、この家で暮らし続けたい」というお二人の思いを尊重し、介護を担う妻の体調と疲れに目を配りながら支援します。入浴と排泄の介助は訪問介護と通所介護が担い、妻の通院日には短期入所を利用します。妻が体調をくずしたときは、長女(電話:000-000-0000)とケアマネジャーに連絡し、サービスを臨時に調整します。
介護をしている夫にも、もの忘れが見られはじめているため、服薬と火の元の確認は、訪問介護と訪問看護が行います。お二人それぞれの担当者が情報を共有し、どちらかの状態が変わったときに、早めに支援の形を見直します。
妻の腰の負担を減らすため、特殊寝台と移乗の用具を整え、訪問リハビリの職員が、体に負担の少ない介助の方法をお伝えします。「できるだけ自分で世話をしたい」という妻の思いを尊重し、任せる部分と続ける部分を、ご夫婦と一緒に決めていきます。
お二人での生活を続けるために、無理が重なる前に相談できる関係づくりを大切にします。月1回の訪問で、お二人それぞれの体調と気持ちをうかがい、在宅での生活が難しくなったときの選択肢についても、ご本人・ご家族と少しずつ話し合っていきます。
医療が必要な方
在宅酸素療法を続けながら、「息苦しさを気にせず、家の中で動きたい」というご本人の思いを支えます。訪問看護が呼吸の状態と機器の使用状況を確認し、動作の工夫は訪問リハビリが助言します。息苦しさが強まったとき、発熱したときは、訪問看護(000-000-0000)へ連絡し、主治医の指示を受けます。
胃ろうからの栄養とたんの吸引を、ご家族が無理なく続けられるよう、訪問看護が手技の確認と体調の観察を行います。ご家族の休息のため、医療的な対応ができる短期入所を定期的に利用します。発熱があるとき、たんが増えたときは、訪問看護(000-000-0000、24時間対応)へ連絡します。
週3回の透析を続けながら、体調に合わせた生活が送れるよう支援します。通院の送迎と、透析後の体調の確認を、各事業所で分担します。水分と食事の管理は、ご本人の楽しみにも配慮しながら、透析クリニック(○○クリニック:000-000-0000)の指導に沿って支えます。体重が急に増えたとき、だるさが強いときは、クリニックに連絡します。
心不全の悪化による入退院をくり返さないよう、毎日の体重測定と服薬を、ご本人・ご家族・訪問看護で確かめます。体重の増加、むくみ、息切れがみられたときは、早めに訪問看護から主治医(○○病院:000-000-0000)へ報告します。塩分に配慮した食事は、配食と訪問介護の調理で支えます。
看取り
「痛みをおさえて、家族と家で過ごしたい」というご本人の思いを最優先に、主治医・訪問看護・薬局が連携して、痛みやつらさの緩和に努めます。状態の変化に合わせて、福祉用具とサービスを速やかに調整します。痛みが強まったとき、様子が変わったときは、訪問看護(000-000-0000、24時間対応)へ連絡します。
食事や水分がとれなくなってきている状況をご家族と共有し、ご本人が苦痛なく、穏やかに過ごせることを大切にします。無理に食べていただくのではなく、好きなものを少しずつ楽しめるよう支援します。今後の変化と、そのときの連絡先について、主治医・訪問看護からご家族へ、あらかじめ説明する機会を持ちます。
ご本人の「家で最期を迎えたい」という意思を、ご家族・主治医・訪問看護・ケアマネジャーで確かめ合い、気持ちが変わったときには、いつでも見直せるようにします。介護を担うご家族の不安と疲れに目を向け、夜間の対応や、休息のためのサービスを一緒に考えます。
一人暮らしで、最期まで自宅で過ごしたいというご本人の意思を尊重し、訪問診療・訪問看護・訪問介護の訪問を組み合わせ、1日に複数回、様子を確かめられる体制をつくります。訪問時に変化があった場合の連絡の順番(訪問看護 000-000-0000 → 主治医 → 長女 000-000-0000)を、関係者全員で共有します。
記入例をためて、AIに仕上げてもらう
気になる記入例の「コピー」を押すと、画面の右下のメモ板にたまります。そのままメモ板の「意向を第1表にまとめる(AI)」か、下のボタンから第1表AIを開き、その方の様子を一言足せば、AIが確かめたいことをひとつずつ(最大3つ)たずねてから、ご本人とご家族の意向を両方ふまえた文章に整えます。登録もインストールもいりません。
第1表AIを開く →場面別にもっと見る(13場面×5本=65本) どれもコピーして使えます
食事・栄養/排泄/入浴・清潔/整容・更衣/移動・移乗/認知症・見守り/服薬・健康管理/リハビリ/社会参加/家事・IADL/家族支援/医療的ケア/生活全般
指摘されやすいポイント
- 全員が同じ定型文(「本人の意向を尊重し、安心して在宅生活が送れるよう支援します」だけ)
- 第2表のニーズと関係のない方針になっている
- サービス名の羅列(「訪問介護と通所介護を利用します」)で、方向性がない
- 医療ニーズや急変の可能性がある方なのに、緊急時の連絡先がない
- 長すぎて、何を大事にするのかが読み取れない。3〜5文程度に収める
緊急連絡先はどこまで書くか
記載要領の「望ましい」は義務ではありませんが、医療ニーズのある方、独居の方、看取り期の方は書いておくべき場面が多いと感じます。書く内容は、主治医と医療機関の名前・電話番号、訪問看護の連絡先、家族のキーパーソンと電話番号、夜間・休日の連絡先です。
ケアプランは各事業所に交付される文書なので、家族の電話番号を載せることについては、本人・家族に説明して同意を得ておきます。交付先が多い場合は、方針欄には「連絡先は別紙のとおり」とし、連絡先一覧を別に配る運用でも構いません。
よくある質問
決まりはありません。3〜5文、150〜250字程度に収める事業所が多いと感じます。長さより、本人の希望・チームの方向・緊急時の連携の3つが読み取れるかが基準です。
状態や課題が変わっていなければ、同じ方針を続けて問題ありません。ただし、第2表のニーズや目標が変わったのに方針だけ以前のままだと、つながりがなくなります。更新時は第2表と読み合わせて、ずれがないかを確認します。
被保険者証に審査会の意見やサービス種類の指定が記載されている場合は、その内容を転記します。記載がなければ「特になし」などと書きます。総合的な援助の方針とは別の欄なので、混ぜて書かないようにします。
第1表には「生活援助中心型の算定理由」の欄が別にあり、独居、家族の障害・疾病、その他やむを得ない事情のいずれかを書きます。方針欄ではなく、その欄に書きます。「その他」の場合は具体的な事情を記載します。