予防プランの総合的課題・総合的な方針の文例40選|介護予防サービス・支援計画書の書き方(要支援1・2)
予防プランの中で、いちばん手が止まりやすいのが「総合的課題」と「総合的な方針」の2つの欄です。各領域の課題をまとめて書く欄と、チーム全体の方向を書く欄で、どちらも定型文になりやすい所です。記載要領の書き方を確かめたうえで、5つのテーマ別に文例を20本ずつ載せました。
予防プランの2つの欄(総合的課題・総合的な方針)
最終更新:2026年10月7日/令和6年度介護報酬改定後の制度と、国の介護予防支援の様式例・記載要領に基づいて作成しています。
記載要領が求めていること
国の様式例の記載要領(介護予防支援業務に係る関連様式例記載要領)では、2つの欄を次のように説明しています。
| 欄 | 書くこと | 書かないこと |
|---|---|---|
| 総合的課題 | 各領域の課題から、直接・間接の背景や原因を探り、共通する背景を見つけて、その方の生活全体の課題として書く。優先度の高い順に①②と番号を付け、課題とした根拠も書く。原因が同じ課題は統合する。 | 意向・目標・具体策(これらは次の欄に書く) |
| 総合的な方針 (生活不活発病の改善・予防のポイント) | 「目標とする生活」や「目標」について、本人・家族・計画作成者・各サービス担当者が、生活不活発病の改善・予防に向けて取り組む共通の方向性。特別に留意すべき点、チーム全体で留意する点。 | サービスの一覧、本人の意向の書き写し |
つまり、総合的課題は「なぜ支援が要るのか」を根拠つきで並べる欄、総合的な方針は「チームでどこへ向かうか」を一言でそろえる欄です。
出典:厚生労働省「介護予防支援業務に係る関連様式例」と記載要領(PDF)
書き出しの型
- 総合的課題:①〔状態・事実〕により〔生活で起きていること〕。〔背景・原因〕があり、〔何が必要か〕。── 事実と根拠を先に、意向や具体策は入れない。
- 総合的な方針:〔目標とする生活・目標〕に向けて、〔チームで共通に取り組むこと〕。〔留意する点〕は各担当者で共有する。── 主語はチーム、本人の言葉を引用すると方向がぶれない。
「コピー」を押すと右下のメモ板にたまります。状態・続柄・サービスの種類は、その方のものに置き換えてください。
総合的課題の文例20本
テーマごとに4本。どれも「課題+根拠」の形で、意向や具体策は書いていません。複数の領域にまたがる場合は、原因が同じなら1つにまとめています。
運動・転倒
①下肢筋力の低下により屋外歩行の持久力が落ち、外出が週1回の買い物のみに減っている。活動量の減少が筋力低下をさらに進める悪循環が生じており、運動の機会を確保する必要がある。
①玄関と浴室の段差で過去半年に2回転倒しており、転倒への不安から入浴と外出を控えるようになっている。住環境と下肢筋力の両面に転倒の原因があり、安全に動ける環境と体力の維持が必要である。
①膝の痛みをきっかけに歩く機会が減り、立ち上がりに手すりが必要になってきている。痛みへの対処と並行して、無理のない範囲で動く習慣を保つことが課題である。
①退院後、体力が戻らず日中は横になって過ごす時間が長い。本人は「動くと疲れる」と感じており、活動量を段階的に戻す支援がなければ生活機能の低下が進むおそれがある。
栄養・口腔
①半年で体重が3kg減少し、食事は1日2回・簡単なもので済ませることが多い。調理の負担と食欲の低下が重なっており、低栄養の予防が優先度の高い課題である。
①義歯が合わず硬いものを避けるため、たんぱく質の摂取が減っている。口腔の問題が食事内容の偏りと体重減少につながっており、歯科受診と食事内容の見直しが必要である。
①食事中にむせることが増え、本人は水分を控えるようになっている。嚥下機能の低下と脱水のおそれが重なっており、口腔機能の維持と安全な水分のとり方が課題である。
①一人で食べる食事が続き、「作るのも食べるのも面倒」と話している。孤食が食事量と意欲の低下の背景にあり、栄養と社会参加の両面から取り組む必要がある。
閉じこもり・社会参加
①配偶者を亡くしてから外出の機会が減り、1週間で家を出るのは通院のみになっている。喪失体験による意欲の低下が閉じこもりの背景にあり、活動量と交流の減少から生活不活発病に進むおそれがある。
①長年続けた町内会の役を退いてから人と話す機会がなくなり、「出かける用事がない」と話している。役割と交流の喪失が外出の減少につながっており、新しい役割や通いの場を見つけることが課題である。
①耳が聞こえにくくなり、会話が億劫になって集まりを避けるようになっている。聴力の低下が交流の減少の直接の原因であり、補聴の工夫と参加しやすい場の確保が必要である。
①外出には家族の送迎が必要で、家族の都合がつかない日は一日中家にいる。移動手段の不足が活動範囲を狭めており、本人が自分で出かけられる手段の確保が課題である。
認知機能・もの忘れ
①薬の飲み忘れが週に2〜3回あり、同じ物を重ねて買うことが増えている。もの忘れが服薬と金銭の管理に影響しはじめており、本人のできる力を保ちながら確認の仕組みをつくる必要がある。
①もの忘れを本人が気にして「人に迷惑をかけたくない」と外出を控えるようになっている。自信の低下が社会参加の減少につながっており、認知機能の維持と交流の確保を併せて考える必要がある。
①火の消し忘れが2回あり、家族が調理を代わるようになったことで、本人の家事の役割が減っている。安全の確保と、本人の役割を残すことの両立が課題である。
①予定を忘れて通所を休む日があり、生活のリズムが乱れがちになっている。記憶の低下を補う手がかり(カレンダー・声かけ)がないことが背景にあり、環境の工夫が必要である。
健康管理・持病
①高血圧と糖尿病があるが、受診を自己判断で延ばすことがあり、血圧の記録も途切れている。病状の管理が不安定なままでは活動の拡大に取り組みにくく、受診と自己管理の継続が優先度の高い課題である。
①心不全のため息切れがあり、本人は「動くと悪くなる」と思って活動を控えている。病状に応じた安全な活動量が本人に伝わっていないことが、不活発の背景にある。
①複数の医療機関から薬が出ており、本人は薬の種類と目的を把握できていない。服薬の重複や飲み忘れが体調の変動につながっており、薬の整理と管理の支援が必要である。
①夜間の頻尿で睡眠が浅く、日中の活動意欲が下がっている。排泄と睡眠の問題が活動量の低下につながっており、受診による原因の確認と生活リズムの調整が課題である。
総合的な方針の文例20本
テーマごとに4本。チームで共通に取り組む方向と、留意する点をセットで書いています。
運動・転倒
「自分の足で買い物に行き続けたい」という目標に向けて、通所型サービスでの筋力運動と、自宅での毎日の体操を組み合わせ、活動量を少しずつ増やしていきます。転倒の不安が強いため、歩行の様子と痛みの有無を各担当者が共有し、無理のない範囲で進めます。
生活不活発病の予防のため、「動く機会を減らさない」ことをチーム共通の方針とします。玄関と浴室の段差は福祉用具で安全を確保し、日中の外出と家事はご本人が続けられるよう、家族は見守りを中心に関わります。
膝の痛みと付き合いながら活動を続けられるよう、主治医の指示する範囲で運動の量を調整します。痛みが強い日は休む判断をご本人ができるよう、目安を共有します。
退院後の体力の回復を第一に、まず日中起きて過ごす時間を増やすことから始めます。訪問型サービスは家事を代行するのではなく、ご本人と一緒に行う形とし、できることが増えた段階でサービスの内容を見直します。
栄養・口腔
体重の減少を止めることを当面の目標とし、1日3食をとれる環境づくりを優先します。配食サービスと訪問型サービスの調理支援を組み合わせ、たんぱく質を意識した食事内容について、通所型サービスの栄養相談と情報を共有します。
口から食べ続けられるよう、歯科受診で義歯を調整し、通所型サービスでは口腔体操に取り組みます。むせの有無と食事量を各担当者が確認し、変化があれば早めにケアマネジャーに連絡します。
水分を控えがちなため、とろみの活用や飲みやすい時間帯の工夫を、ご本人・家族・各担当者で共有します。脱水の兆候(口の渇き・尿量の減少・ふらつき)に気づいたときの連絡先を決めておきます。
「誰かと一緒に食べる」機会を増やすことを栄養と社会参加の両面の方針とします。通所型サービスの昼食と、地域の会食の場への参加を組み合わせ、食事の楽しみを取り戻せるよう支援します。
閉じこもり・社会参加
ご本人の「人と話す機会がほしい」という気持ちを大切にし、まずは週1回、決まった曜日に出かける習慣をつくることをチームの共通の目標とします。通いの場への初回参加はケアマネジャーが同行し、続けられるかを一緒に確かめます。
長年の経験を生かせる役割(地域のサロンでの手伝いなど)を見つけることを方針とし、参加の様子を通所型サービスとサロンの担当者が共有します。無理に参加をすすめず、ご本人のペースを尊重します。
聞こえにくさが交流の妨げになっているため、補聴器の相談と、少人数で話しやすい場の選択を優先します。各担当者は正面からゆっくり話しかけることを共通の留意点とします。
移動手段の確保を方針の柱とし、地域の移送サービスやバスの利用を支援します。家族の送迎に頼らず出かけられる日をつくることで、活動の範囲を広げます。
認知機能・もの忘れ
もの忘れがあっても「自分のことは自分で決める」というご本人の思いを尊重し、服薬と予定はカレンダーやお薬カレンダーで見て分かる形に整えます。各担当者は、できていることを言葉にして伝え、失敗を指摘しない関わりを共通の方針とします。
外出を控えがちになっているため、通所型サービスでの交流を通じて自信を取り戻すことを目標にします。もの忘れの進み方については、主治医と情報を共有し、変化があれば早めに計画を見直します。
安全の確保と本人の役割の両立を方針とします。火を使わない調理(電子レンジ・電気調理器)に切り替え、ご本人が食事の支度を続けられるようにします。家族は代わりに行うのではなく、一緒に行う関わりを基本とします。
生活のリズムを保つため、通所の日は朝に訪問型サービスが声をかけ、支度を一緒に行います。予定が分かる手がかりを家の中に置き、ご本人が自分で確かめられる環境を整えます。
健康管理・持病
病状の安定を活動拡大の土台と考え、定期受診と血圧の記録を続けることを最優先の方針とします。記録はご本人が行い、通所型サービスの看護職と、訪問時にケアマネジャーが確認します。受診を延ばしそうなときは家族から声をかけてもらいます。
心不全の症状に応じた安全な活動量を主治医に確かめ、ご本人・家族・各担当者で共有します。「動いてよい範囲」が分かることで、必要以上に活動を控えないようにします。息切れ・むくみ・体重増加があるときの連絡先を決めておきます。
薬の整理と一元化を薬局・主治医と進め、お薬手帳で管理します。飲み忘れを責めるのではなく、飲みやすい時間と置き場所をご本人と一緒に決めます。
夜間の頻尿について受診で原因を確かめ、日中の活動と水分のとり方のリズムを整えます。睡眠の状況は訪問時に確認し、改善が見られない場合は主治医に相談します。
その方の書類から、AIで下書きする
保険証・認定調査票などを読み取らせて利用するサービスを入れると、介護予防サービス・支援計画書の下書きを欄ごとに作ります。総合的課題と総合的な方針も一緒に出ます。
予防プランAIを開く →よくある質問
Q. 「総合的課題」には、何を書きますか?
各領域の課題をもとに、その方の生活全体の課題を書きます。記載要領では、直接の背景・原因だけでなく間接的な背景も探って、各領域に共通する背景を見つけ、優先度の高い順に番号を付けて並べ、課題とした根拠も書くとされています。意向・目標・具体策はこの欄には書きません。
Q. 「総合的な方針」には、何を書きますか?
様式では「総合的な方針(生活不活発病の改善・予防のポイント)」です。記載要領では、「目標とする生活」や「目標」について、本人・家族・計画作成者・各サービス担当者が生活不活発病の改善・予防に向けて取り組む共通の方向性や、特別に留意すべき点、チーム全体で留意する点を書くとされています。
Q. 総合的課題が複数の領域にまたがるときは、どう書きますか?
原因や背景が同じなら、統合して1つの課題として書くほうが、その方の全体像をとらえた課題になります。記載要領もそのように示しています。別々の原因なら、優先度の高い順に①②と番号を付けて並べます。
Q. 居宅サービス計画書の「総合的な援助の方針」と同じ書き方でよいですか?
考え方は近いですが、予防プランでは「生活不活発病の改善・予防」が軸になります。本人が望む生活と目標に向けて、チームが共通で何に取り組むかを書くと、様式の趣旨に合います。要介護の方の第1表の書き方は、総合的な援助の方針の文例のページにまとめています。