ケアプラン第1表「課題分析の結果」の書き方|意向を踏まえた課題分析の結果の記入例16選(認知症・独居・脳梗塞など)
第1表の「利用者及び家族の生活に対する意向を踏まえた課題分析の結果」は、令和3年の様式改正で欄の名前が変わってから、何を書けばよいのか迷う声が増えた欄です。意向をそのまま写す欄でも、課題を並べる欄でもありません。「意向」と「状態」をつないで「だから何が課題か」まで書く、この一本の線を通す欄だと捉えると整理できます。
第1表(意向・課題分析・援助の方針)
最終更新:2026年10月10日/令和6年度介護報酬改定後の制度および現行の居宅サービス計画書標準様式に基づいて作成しています。
欄の名前が変わった意味
居宅サービス計画書(1)のこの欄は、令和3年3月の記載要領改正で「利用者及び家族の生活に対する意向を踏まえた課題分析の結果」になりました。記載要領では、利用者と家族が「どのような内容の介護サービスをどの程度の頻度で利用しながら、どのような生活をしたいと考えているのか」について、意向を踏まえた課題分析の結果を記載する、とされています。
つまり、本人の言葉を書き写して終わりではなく、その意向を受けてアセスメントから何が見えたかまでがこの欄の役目です。本人の言葉そのものは、アセスメントシートや第5表に残しておきます。
書く順番:意向 → 状態 → 課題
書き方の型は1つで足ります。①本人(家族)はどう暮らしたいか → ②いまの状態と、その背景 → ③だから何が課題で、何が必要か。この3つを、それぞれ1〜2文で書きます。
- ①「自宅で一人の生活を続けたい」と希望されている(意向)
- ②要介護2。認知症により服薬と火の管理に不安があり、週に数回、食事を抜くことがある(状態と背景)
- ③服薬と食事が安定し、安全に一人暮らしを続けられるよう、日々の見守りと生活支援が必要(課題)
①が本人、②が専門職の目、③がチームの結論です。3つがそろっていれば、審査会や運営指導で「意向だけ」「課題だけ」と指摘されることはまずありません。
意向と見立てが食い違うとき
本人の希望と家族の希望、あるいは本人の希望と専門職の見立てが違うことは珍しくありません。その場合は、片方を消さず両方を書いたうえで課題を書きます。「〜と希望されているが、〜の状態があるため、〜が課題」の形です。
家族の意向は「長女は施設入所を考えている」のように、誰の意向かを明示します。本人が課題を認識していない場合は、「ご本人は困っていないと話されるが、〜の状況から〜のリスクが高い」と、事実で示します。
記入例(状態別)
状態別の記入例です。「コピー」を押すと右下のメモ板にたまり、AI記録ツールでその方の状況に合わせて書き換えられます。
「自宅で一人の生活を続けたい」と希望されています。要介護2、アルツハイマー型認知症により服薬と火の管理に不安があり、週に数回食事を抜くことがあります。服薬と食事が安定し、安全に一人暮らしを続けられるよう、日々の見守りと生活支援が必要です。
「なるべく人の世話にならず、自分のことは自分でやりたい」と話されています。独居で、腰痛により掃除や買い物に時間がかかり、外出の機会が減っています。できることは続けながら、負担の大きい家事を補い、外出の機会を保つ支援が必要です。
「もう一度、自分の足で近所を歩けるようになりたい」と希望されています。脳梗塞後の右片麻痺があり、屋内は杖歩行、屋外は見守りが必要な状態です。リハビリの継続と転倒予防を柱に、歩行の安定と外出の再開に向けた支援が必要です。
「転ぶのが怖くて外に出られない」と話されています。大腿骨骨折の術後で歩行器歩行、入浴と階段に介助が必要です。転倒への不安を和らげながら、安全に動ける環境を整え、活動量を少しずつ戻していく支援が必要です。
ご本人は「家で過ごしたい」と希望され、主介護者の長女は「仕事と介護の両立が限界」と話されています。認知症の進行により夜間の見守りが増え、長女の睡眠不足が続いています。ご本人の在宅生活を続けるために、長女の介護負担を減らす支援を優先する必要があります。
「特にやりたいことはない」と話され、日中はテレビを見て過ごしています。妻の死後、外出と会話の機会が減り、食事も簡単なもので済ませています。閉じこもりによる心身機能の低下を防ぐため、人と関わる場と生活リズムをつくる支援が必要です。
「甘いものはやめられない」と話されています。糖尿病でインスリン自己注射を行っていますが、血糖の自己管理が不十分で、受診を忘れることがあります。合併症を防ぐため、服薬・注射・食事の管理を医療と連携して支える必要があります。
ご本人は「最期まで家にいたい」、ご家族も「できる限り家で看たい」と希望されています。がんの終末期で、痛みの増強と食事量の低下がみられます。苦痛の緩和と、ご家族が安心して介護を続けられる体制づくりが必要です。
状態別の記入例・続き(8本)
老老介護・心不全・パーキンソン病・透析・誤嚥性肺炎のあと・関節リウマチ・日中独居・ご本人とご家族の意向が違うとき、の8つです。どれも「意向 → 状態 → 課題」の順で書いてあります。
「夫婦二人で、この家で暮らし続けたい」と希望されています。妻が介護を担っていますが、妻自身も膝の痛みがあり、入浴と排泄の介助が負担になっています。ご本人は歩行が不安定で、屋内で月に1〜2回転んでいます。お二人での生活を続けられるよう、介助の負担を減らし、転倒を防ぐ環境を整える支援が必要です。
「もう入院はしたくない。家でゆっくり過ごしたい」と話されています。心不全でこの1年に2回入院しており、体重の記録と、塩分を控えた食事が続いていません。息切れのため、入浴と家事に時間がかかっています。体調の変化に早く気づける体制と、無理のない家事・入浴の方法を整える支援が必要です。
「トイレだけは、最後まで自分で行きたい」と希望されています。パーキンソン病により、動き始めの一歩が出にくく、薬の効果が切れる時間帯に転倒が増えています。薬の効いている時間に合わせた生活の組み立てと、屋内を安全に移動できる環境づくり、リハビリの継続が必要です。
「透析は続けるが、家のことはできるだけ自分でやりたい」と話されています。週3回の透析のあとは疲れが強く、食事の準備と通院の移動が負担になっています。水分と食事の管理にも不安があります。透析を続けながら体力を保てるよう、通院の移動と食事の準備を支える支援が必要です。
「口から、好きなものを食べたい」と希望されています。誤嚥性肺炎で入院し、退院後も食事中のむせが続いており、体重は入院前から3kg減っています。長女は「また肺炎にならないか」と不安を話されています。安全に食べられる食事の形と姿勢を整え、口の中を清潔に保つことと、栄養の状態を確かめていくことが必要です。
「痛みと付き合いながら、身の回りのことは自分で続けたい」と話されています。関節リウマチにより手指の変形と痛みがあり、ボタンかけ・調理・掃除に時間がかかっています。朝はこわばりが強く、動き出すまでに1時間ほどかかります。関節に負担をかけない道具と方法を取り入れ、負担の大きい家事を補う支援が必要です。
ご本人は「息子の世話にはなりたくないが、一人でいると心細い」と話され、同居の長男は「仕事で日中は不在になる。その間に転んでいないかが心配」と話されています。軽いもの忘れと歩行の不安定さがあり、日中は横になって過ごす時間が長くなっています。日中に人と関わる機会を持ち、一人の時間も安心して過ごせる体制をつくることが必要です。
ご本人は「施設には入りたくない。この家にいたい」と希望され、長女は「一人では心配なので、施設も考えてほしい」と話されています。この半年で2回転倒し、うち1回は翌朝まで動けませんでした。ご本人の「家にいたい」という思いを軸に、転んだときにすぐ気づける仕組みと見守りの回数を整え、長女の不安を減らしていくことが必要です。
記入例をためて、AIに仕上げてもらう
気になる記入例の「コピー」を押すと、画面の右下のメモ板にたまります。そのままメモ板の「意向を第1表にまとめる(AI)」か、下のボタンから第1表AIを開き、その方の様子を一言足せば、AIが確かめたいことをひとつずつ(最大3つ)たずねてから、ご本人とご家族の意向を両方ふまえた文章に整えます。登録もインストールもいりません。
第1表AIを開く →指摘されやすいポイント
- 意向の丸写しで終わっている(「〜したい」だけで、状態も課題も書かれていない)
- 「〜が必要」だけが並び、なぜ必要かの根拠(状態・背景)がない
- 家族の意向がどこにもない。同居家族がいる場合は、誰の意向かを明示して書く
- 総合的な援助の方針と同じ文になっている。課題分析の結果は「何が課題か」、方針は「チームがどう関わるか」
- 課題分析標準項目(令和5年10月に改正、23項目)で確認した内容と、ここに書いた課題がつながっていない
よくある質問
いけないわけではありませんが、この欄は意向を「踏まえた」課題分析の結果を書く欄です。本人の言葉は冒頭に短く引用し、そのあとに状態と課題を書くと、欄の趣旨に沿った形になります。本人の言葉そのものは、アセスメントシートや第5表に残しておくと後で役立ちます。
決まりはありません。意向・状態・課題を1〜2文ずつ、合計で3〜5文程度に収める事業所が多いと感じます。長く書くほど良いわけではなく、第2表のニーズにつながる課題が読み取れるかどうかが基準になります。
「特にない」も一つの意向として受け止めつつ、暮らしの中で困っていること、続けたいことを具体的に聞き直します。それでも言葉が出ない場合は、「ご本人は現状に大きな不満はないと話されているが、〜の状況から〜のリスクがある」と、事実から課題を書きます。
課題分析(アセスメント)で必ず確認する項目として国が示しているものです。令和5年10月の改正で23項目に整理され、基本情報に関する項目と課題分析に関する項目からなります。この欄には23項目すべてを書くのではなく、そこから見えた課題の要点を書きます。