自治体ごとに求められる理由書の書き方と文例36本|同居家族がいる場合の生活援助・院内介助・福祉用具の再購入
国の決まりで一律に届出が求められているわけではないものの、多くの自治体が理由書や確認の書類を求める場面があります。ここでは、ケアマネジャーが迷いやすい3つの場面を取り上げ、国の通知の考え方と、理由の書き方を文例でまとめました。様式や手続きは自治体ごとに違うので、必ず担当の保険者に確かめてください。
理由書(自治体ごとの取扱い)
最終更新:2026年10月16日/国の運営基準と通知、自治体の案内をもとに作成しています。様式・出す時期・添える書類は自治体ごとに違うため、担当している利用者さんの保険者に確かめてください。
このページで扱う書類
ここで扱う3つは、国の決まりで一律に届出が求められているものではありません。そのため、理由書を求めるかどうか、様式、出す時期は、自治体ごとに大きく違います。理由書は求めずに、ケアプランや支援経過への記載で足りるとする自治体もあります。担当している利用者さんの保険者の取扱いを、まず確かめてください。
| 場面 | 国の考え方のポイント |
|---|---|
| 同居家族がいる場合の生活援助 | 同居家族がいることだけで、一律・機械的に生活援助を認めない、という判断をしないよう、国は事務連絡で周知している。個々の状況に応じて具体的に判断する |
| 院内介助(通院の付き添い) | 病院の中の介助は、基本的には病院のスタッフが対応するもの。ただし、場合により算定の対象になる。認めるかどうかは保険者の判断 |
| 特定福祉用具の同じ種目の再購入 | 同じ年度の中で同じ種目は原則1回。破損や、介護の程度が著しく高くなった場合などは例外がある |
軽度者(要支援・要介護1)の福祉用具貸与の例外給付と、住宅改修の理由書は、それぞれのページにまとめています(福祉用具の理由書・住宅改修の理由書)。
同居家族がいる場合の生活援助
訪問介護の生活援助は、一人暮らしの方や、家族が障害・病気などのために家事を行うことが難しい方が対象です。同居の家族がいる場合について、国は事務連絡で、同居家族がいることだけを理由に、一律・機械的に保険給付の可否を決めないこと、適切なケアプランにもとづいて、個々の利用者の状況に応じて具体的に判断することを、繰り返し周知しています。
自治体によっては、理由書や確認の書類を求めたり、ケアプランへの具体的な記載を求めたりしています。「家族が仕事をしている」「日中は一人になる」だけでは理由にならない、とする自治体もあります。書くときは、家族が家事を行えない具体的な事情と、その家事がなぜ必要かを、アセスメントの事実から書きます。
同居家族がいる場合の生活援助:家族の事情
同居の長男は統合失調症で通院中であり、服薬の管理も支援を受けている状態のため、本人の食事の用意や掃除を担うことはできない。
同居の妻は要介護3で、車いすで生活しており、台所での調理や掃除を行うことができない。
同居の夫は認知症の診断を受けており、火の扱いや食品の管理に危険がある。夫が家事を担うことは安全上難しい。
同居の長女は重度の身体障害があり、障害福祉サービスを利用して生活している。長女が本人の家事を担うことはできない。
同居の長男は夜勤のある仕事に就いており、勤務の日は帰宅が翌朝になる。本人は糖尿病の食事管理が必要で、夕食の用意を長男の帰宅まで待つことができない。
同居の孫は高校生で、学業と通学の負担が大きく、祖母の調理や掃除を継続して担うことは現実的ではない。家族で話し合い、孫には見守りの役割をお願いしている。
同居家族がいる場合の生活援助:必要な家事と理由
本人の居室の掃除(週2回)。本人は寝たきりで、居室で食事と排泄を行っており、衛生の保持が必要である。共用部分の掃除は家族が行う。
本人の食事の調理(1日1回)。腎臓病の食事制限があり、家族と同じ食事をとることができない。家族は自分たちの食事の用意で精一杯である。
本人の衣類とシーツの洗濯(週2回)。失禁があり、汚れた衣類をこまめに洗う必要がある。家族の洗濯とは分けて行う。
本人が使う物の買い物(週1回)。家族は本人の必要な物(介護用品・とろみ剤など)を把握できておらず、本人の状態に合った物を選ぶ必要がある。
生活援助は本人の分に限り、家族の分の家事は行わない。本人ができる工程(材料を選ぶ・味見をする)は、一緒に行う。
家族の状況(長男の病状)に変化があった場合は、すぐに計画を見直す。3か月ごとに、家族が担える家事が増えていないかを確かめる。
院内介助(通院の付き添い)
通院のときの病院の中での介助は、国の考え方では、基本的には病院のスタッフが対応するものですが、場合によっては訪問介護の算定の対象になるとされています。認めるかどうかは保険者の判断です。国の事務連絡では、多くの保険者が、①適切なケアマネジメントを行ったうえで、②病院のスタッフによる対応が難しく、③ご本人が介助を必要とする心身の状態であること、を目安にしていると紹介されています。
自治体によっては、通院先の医療機関に院内の介助ができないことを確かめた記録や、理由書を求めています。診察や検査の立ち会い、単なる待ち時間は算定の対象にしない、とする自治体もあります。書くときは、病院のスタッフで対応できない事情(確かめた相手と日付)と、院内で必要な介助の中身を具体的に書きます。
院内介助:病院のスタッフで対応できない事情
通院先の病院の外来の看護師に確認したところ、受付から診察・会計までの院内の移動の介助は、外来の人員の都合で対応できないとの回答だった(○月○日、外来看護師に電話で確認)。
通院先は個人の診療所で、職員が少なく、車いすへの移乗やトイレの介助に対応できないことを確認した。
通院先の医療機関の地域連携室に相談したところ、院内のボランティアや職員による付き添いの仕組みがないことを確認した。
家族は遠方に住み、平日の通院に同行できない。病院のスタッフによる対応もできないため、院内の介助を訪問介護で行う必要がある。
院内介助:必要な介助の中身
認知症のため、院内で自分の診察の順番や場所が分からなくなり、受付・検査室・会計の間の移動に誘導が必要である。
歩行が不安定で、院内の移動に車いすを使っている。トイレでの移乗と排泄の介助が必要である。
視覚障害があり、院内の案内表示を見て移動することができない。受付から会計までの移動の誘導が必要である。
診察の待ち時間の見守りや、診察室の中での同席は算定の対象にしない。院内での移動とトイレの介助に限って位置付ける。
特定福祉用具の同じ種目の再購入
特定福祉用具(入浴補助用具・腰掛便座など)の購入費は、同じ年度(4月〜翌年3月)の中で10万円までが支給の対象で、同じ種目は原則1回です。ただし、破損した場合、介護の程度が著しく高くなった場合、用途や機能が著しく異なる場合などは、例外として認められることがあります。
多くの自治体が、同じ種目を再購入するときに理由書や理由欄への記入を求めています。部品の交換や修理で使い続けられる場合は、そちらを先にする、とする自治体もあります。書くときは、前の用具が使えない理由(壊れた箇所・修理できない理由、または状態の変化)と、新しい用具で何ができるようになるかを書きます。
特定福祉用具の同じ種目の再購入
シャワーチェアの脚の固定部分が破損し、座るとぐらつくようになった。購入した事業所に確認したが、部品の製造が終わっており、修理ができない。
ポータブルトイレのひじ掛けが割れ、立ち上がりの支えに使えなくなった。修理の見積もりをとったが、部品の取り寄せができないと説明を受けた。
要介護2から要介護4に変わり、立位の保持が難しくなった。これまでの入浴用のいすでは座位を保てないため、背もたれとひじ掛けのある入浴用のいすが必要である。
脳梗塞の再発で片麻痺が重くなり、これまでの腰掛便座では一人で立ち上がれなくなった。昇降の機能がある腰掛便座が必要である。
以前に購入した浴槽内いすは、浴槽の中で座るためのものだった。今回は、浴槽をまたぐ動作を助けるための浴槽台であり、用途と機能が異なる。
体格が大きく変わり(体重の増加)、これまでのポータブルトイレの耐荷重を超えるため、安全に使えなくなった。
記入例(36本)
「コピー」を押すと、右下のメモ板にたまります。状態・続柄・サービスの種類・日付は、その方のものに置き換えてください。保険者の様式に欄の名前が決まっているときは、その欄に合わせて組み合わせてください。
ケアプラン・支援経過への書き方
(第2表 サービス内容)本人の居室の掃除と、本人の分の調理(同居の妻は要介護3で家事を行えないため)(訪問介護・生活援助中心型)
(支援経過)同居の長男の病状を本人と長男に確認し、長男が家事を担うことは難しいことを確認した。保険者の取扱いを窓口に確認し、理由書を提出した。
(支援経過)通院先の病院の外来看護師に電話で確認。院内の移動の介助には対応できないとの回答。院内の移動とトイレの介助を訪問介護に位置付けることを、担当者会議で確認した。
(支援経過)シャワーチェアの破損を福祉用具専門相談員と確認。修理ができないため、同じ種目の再購入となることを保険者に相談し、理由書を添えて申請する。
(支援経過)同居の夫の状態の変化(要介護認定の区分の変更)を受け、夫が担っていた家事の範囲を本人・夫・長女と確認した。生活援助の内容を見直し、担当者会議で共有した。
(第2表 サービス内容)通院時の院内の移動の誘導と、トイレの介助(通院先で院内の介助に対応できないことを確認済み)(訪問介護・身体介護)
理由書の書き出しの型
【同居家族の生活援助】同居の〔続柄〕は〔病名・障害・状態〕のため、〔家事の内容〕を行うことができない。本人は〔心身の状況〕のため、〔必要な家事〕が必要である。
【院内介助】通院先の〔医療機関〕に確認したところ、〔院内の介助の内容〕には対応できないとの回答だった(〔日付〕、〔確認した相手〕)。本人は〔心身の状況〕のため、院内で〔介助の内容〕が必要である。
【福祉用具の再購入】〔購入した時期〕に購入した〔用具〕は、〔破損の箇所・状態の変化〕のため使用できない。〔修理を検討した結果〕。〔新しい用具〕により、〔できるようになること〕。
【共通】ほかの方法として〔検討した方法〕を検討したが、〔それでは足りない理由〕。今後は〔見直しの時期・条件〕に見直す。
- 担当している利用者さんの保険者の様式・出す時期・添える書類を確かめた
- 担当者会議などで、ほかの方法を検討した記録がある
- ご本人・ご家族に、書類を出すことと、その中身を説明した
- 名前・住所など、求められていない個人の情報を書いていない(様式で求められる欄は除く)
- ケアプラン(第1表・第2表)と、理由書の中身が食い違っていない
よくある質問
Q. 同居の家族がいると、生活援助は使えませんか?
同居家族がいることだけで一律に使えなくなるわけではありません。国は、同居家族の有無だけで一律・機械的に判断しないよう、事務連絡で周知しています。家族が障害・病気などで家事を行えない事情があるかを、個々の状況から判断します。自治体ごとの取扱いは、担当の保険者に確かめてください。
Q. 院内介助は、どんなときに算定できますか?
国の考え方では、基本的には病院のスタッフが対応するものですが、場合によっては算定の対象になります。多くの保険者は、適切なケアマネジメントを行ったうえで、病院のスタッフによる対応が難しく、ご本人が介助を必要とする状態であることを目安にしています。認めるかどうかは保険者の判断です。
Q. 福祉用具を同じ年度に2回買うことはできますか?
同じ種目は原則1回ですが、破損した場合、介護の程度が著しく高くなった場合、用途や機能が著しく異なる場合などは、例外として認められることがあります。多くの自治体が理由書を求めています。
Q. このページにない「自治体独自の書類」はありますか?
あります。自治体によっては、ここで取り上げた3つ以外にも、ケアプランの確認や理由書を求める場面があります。担当している利用者さんの保険者の、事業者向けの案内(手引き・Q&A)を確かめてください。