災害時の支援経過(第5表)の書き方と記入例|安否確認・避難・サービスの一時中止と再開
災害のあとは、利用者さんの安否確認やサービスの調整が先です。記録はあとからでも間に合います。ただ、日時・相手・確かめたこと・判断・次の対応だけは、その場で短くメモしておくと、あとで第5表にまとめるときに迷いません。場面別の記入例をそのまま土台にしてください。
場面別(看取り・施設・予防・変更・災害)
最終更新:2026年9月22日/現行の居宅サービス計画書標準様式(第5表 居宅介護支援経過)に基づいて作成しています。
災害のときは、記録はあとで大丈夫。メモだけ残す
台風や大雨、地震のあとは、利用者さんの安否確認、避難の手伝い、サービスの調整が先です。第5表を当日に仕上げる必要はありません。
ただ、何日かたつと「何時に、誰と、何を確かめたか」が思い出せなくなります。電話を切った直後に、スマホのメモや録音でひとことだけ残しておくと、あとで記録にまとめるときに迷いません。録音から記録の下書きをつくる方法は 録音から記録をつくる方法 にまとめています。
何を残すか(5つ+災害時に足したいこと)
- 日時:何時に電話・訪問したか。つながらなかった時刻と回数も
- 手段と相手:電話・訪問・家族・民生委員・事業所など
- 確かめたこと:無事か、けが、居場所、服薬、食事、水・電気
- 判断:事実からどう考えたか(「見守りを増やす必要がある」など)
- 次の対応:誰に何を伝えるか、いつ何をするか
災害のときは、次のことも足しておくと、あとから経過を追えます。
- いまどこにいるか(自宅・避難所・親族宅)と、そこでの連絡先
- 在宅酸素・吸引器など、電気が要る医療機器の状況
- 家族介護者の状況(本人も被災していないか、疲れていないか)
- サービスを止めた・代えた理由と期間、本人と家族の同意
記入例(場面別12本)
「コピー」を押すと右下のメモ板にたまります。○月○日・続柄・事業所○○は、実際の内容に置きかえてください。AI記録ツールは、話した内容や手書きのメモから第5表の文章を下書きします。
1. 安否確認(電話・無事)○月○日 8:30 台風通過後、本人宅へ電話。本人が応答。自宅に被害なし、けがなし。停電・断水なし。服薬は今朝も済んでいると本人より聞き取り。通所介護は通常どおり利用予定であることを伝える。本日中に通所介護事業所○○へ本人の状況を共有する。
2. 連絡がつかないとき○月○日 8:40 本人宅へ電話するも応答なし(3回)。長女の携帯へ電話し、長女も連絡が取れていないとのこと。9:30 自宅を訪問し、本人の在宅と無事を確認。電話機のコードが抜けていたため差し直す。長女へ無事を電話で報告。
3. 近隣・民生委員に確認を頼んだとき○月○日 9:00 本人宅・長男へ電話がつながらず、道路冠水のため訪問できない状況。地域包括支援センター○○へ連絡し、担当地区の民生委員へ安否確認を依頼。11:20 民生委員より、本人は近隣の知人宅に身を寄せており無事との報告を受ける。
4. 避難所へ避難○月○日 17:00 長女より電話。本人と長女は○○小学校の避難所へ避難済み。本人は体調変わりなく、内服薬は3日分を持参。段差の多い環境のため、移動時は長女が付き添うとのこと。避難所の保健師へ、本人の移動の介助と服薬の状況を伝えることを長女と確認。
5. 親族宅へ一時的に避難○月○日 10:00 本人より電話。自宅の浸水のため、当面は次男宅(○○市)に滞在する。滞在中の連絡先は次男の携帯。サービス事業所へ居所の変更と連絡先を伝え、訪問介護は滞在中は休止とする。自宅へ戻る目安が決まったら本人から連絡をもらうことを確認。
6. 在宅酸素と停電○月○日 6:50 停電が続いていると妻より電話。酸素濃縮装置が止まり、予備の酸素ボンベに切り替え済み。残量はおよそ○時間分と聞き取り。酸素業者○○へ連絡しボンベの追加配達を依頼、午前中に配達予定。訪問看護ステーション○○へ状況を報告し、本日中の訪問を依頼。息苦しさが強くなったときは救急要請するよう妻と確認。
7. 通所介護の休業とサービスの一時中止○月○日 通所介護事業所○○より、施設の浸水のため○月○日〜○日の営業を休止すると連絡。本人・長女へ電話で伝え了承を得る。休止中の入浴と日中の見守りについて、訪問介護の追加で対応できるか調整する。
8. 代替サービスの調整○月○日 通所介護の休止に伴い、訪問介護事業所○○と調整し、○日・○日に入浴介助の訪問を追加。本人・長女の同意を得る。追加の内容と理由を各事業所へ連絡し、休止期間が延びる場合は改めて計画を見直す。
9. 訪問の時間変更(道路の冠水など)○月○日 訪問介護事業所○○より、道路の冠水のため本日の訪問を10時から14時へ変更したいと連絡。本人へ電話し、昼食の準備は長女が行うことを確認のうえ了承を得る。
10. サービスの再開○月○日 通所介護事業所○○より、○月○日から営業を再開すると連絡。本人・長女へ伝え、再開日から通常どおり利用することを確認。追加していた訪問介護は○月○日で終了とし、訪問介護事業所へ連絡。
11. 家族介護者の負担・介護者の被災○月○日 長女より電話。長女宅も床下浸水し片付けが続くため、しばらく本人宅へ通う回数が減るとのこと。長女の疲れが強い様子。短期入所の空きを事業所○○へ問い合わせ、○日からの利用が可能と回答あり。本人・長女へ提案し、検討してもらう。
12. 主治医・訪問看護への状態報告○月○日 避難所生活が続き、本人の食事量が減り、夜間眠れていないと長女より報告。主治医○○医院へ電話で状況を伝え、次回の受診を前倒しすることになった(○月○日)。訪問看護ステーションへも共有し、脱水と便秘に注意して観察してもらう。
サービスを止めた・代えたときの扱い
通所介護の休業や道路の状況で、サービスを一時的に止めたり、別のサービスで代わりにしたりしたときは、第5表に理由・期間・代わりの対応・本人と家族の同意を残します。事業所へ伝えたことも書いておきます。
状態や必要なサービスが変わり、それがしばらく続くときは、アセスメントと担当者会議、計画の見直しを検討します。計画を見直すかどうかの考え方は 軽微な変更の考え方 も参考にしてください。
大きな災害のときは、厚生労働省から介護保険の臨時的な取扱いについて事務連絡が出ることがあります。扱いは災害ごとに変わるので、保険者(市町村)の案内をあわせて確認してください。
よくある質問
Q. 連絡がつかない利用者さんは、どこまで記録すればよいですか
かけた日時と回数、誰に連絡したか、どうやって無事を確かめたか(訪問・家族・民生委員など)を順番に残します。確かめられなかった時間があれば、そのことも書いておくと、あとから経過を追えます。
Q. 当日に記録を書く時間がありません。あとで書いてもよいですか
災害のあとは、支援を優先して構いません。そのかわり、日時・相手・確かめたこと・判断・次の対応を、その場でメモや録音で残しておきます。あとで第5表にまとめるときは、出来事の日時は当日のメモのとおりに書きます。
Q. サービスを一時的に止めたり、別のサービスで代わりにしたときは、計画の変更が必要ですか
第5表には、止めた理由・期間・代わりの対応・本人と家族の同意を残します。状態や必要なサービスが変わり、しばらく続く場合は、アセスメントと担当者会議、計画の見直しを検討します。災害時には、厚生労働省から臨時的な取扱いの事務連絡が出ることがあるので、保険者の案内もあわせて確認してください。