介護予防サービス支援計画書(予防プラン)の記入例と書き方|欄ごとの文例17本
令和6年4月から、居宅介護支援事業所が介護予防支援の指定を直接受けられるようになり、予防プランをはじめて書くケアマネジャーが増えました。居宅の第1表・第2表とは様式の考え方が違い、1枚に「目標とする生活」から「支援計画」までが並びます。欄の順番どおりに何を書くかを整理し、記入例と予防プランAIへの導線をつけました。
場面別(看取り・施設・予防・変更・災害)
最終更新:2026年9月28日/令和6年度介護報酬改定後の制度および現行の居宅サービス計画書標準様式に基づいて作成しています。
この記事の内容
令和6年4月から変わったこと
それまで介護予防支援(要支援の方のケアマネジメント)は地域包括支援センターが行い、居宅介護支援事業所は包括からの委託で担当していました。令和6年度改定で、居宅介護支援事業所が介護予防支援事業者の指定を直接受けられるようになり、委託ではなく自事業所の利用者として担当できます。
直接指定を受けた場合は、包括を経由しない分、アセスメントから計画・モニタリング・評価まで事業所が最後まで責任をもちます。介護予防支援の運営基準や報酬(介護予防支援費(Ⅱ))の要件は、事前に確認しておきます。
様式の全体像|どこに何を書くか(図で見る)
介護予防サービス・支援計画書は、居宅の第1表と第2表にあたる内容が1枚にまとまった横長の様式です。中段は左から右へ、欄の並びがそのまま「見立てる → まとめる → 話し合う → 計画にする」という考える順番になっています。
図のオレンジの数字は、この記事でおすすめする書く順番です。次の見出しで、順番ごとに何をするかを説明します。
令和6年から予防プランを担当し始めた居宅のケアマネジャーは、第1表・第2表のどの欄にあたるかを先に押さえておくと、迷いが減ります。
| 居宅サービス計画書(第1表・第2表) | 介護予防サービス・支援計画書 | 違い |
|---|---|---|
| 第1表 利用者及び家族の生活に対する意向 | 本人・家族の意欲・意向(領域ごと)/目標とする生活(1日・1年) | 4つの領域ごとに分けて書く |
| 第1表 課題分析の結果 | アセスメント領域と現在の状況/領域における課題(背景・原因) | 課題の「有・無」と、その背景・原因を書く |
| 第2表 生活全般の解決すべき課題(ニーズ) | 総合的課題 | 4領域を横断してまとめ、優先順に番号を付ける |
| 第2表 長期目標・短期目標 | 課題に対する目標と具体策の提案 → 具体策についての意向 → 目標 | 提案と本人の受け止めを経て、合意した目標を1つ書く |
| 第2表 サービス内容・サービス種別・頻度・期間 | 支援計画(支援のポイント/セルフケア・家族・インフォーマル/介護保険サービス又は地域支援事業/種別/事業所/期間) | 本人のセルフケアと家族・地域の支えを、サービスと同じ重さで書く |
| 第1表 総合的な援助の方針 | 総合的な方針:生活不活発病の改善・予防のポイント | 生活不活発にならないためのポイントを中心に書く |
はじめて作るときの書く順番(6段階・13手順)
様式は左上の「目標とする生活」から始まりますが、上から順に埋めていくと、途中で手が止まりやすいと感じます。「目標とする生活」は面談で最初に聞いて仮に書いておき、課題と目標が決まってから最後に見直すと、全体の話がつながります。私がおすすめする順番は次のとおりです。番号は上の図と同じです。
段階1 準備する
- 1書類を読み、基本チェックリストの数を書く
認定調査票・主治医意見書・基本チェックリスト(実施している場合)を読み、面談で確かめたいことを書き出しておきます。基本チェックリストの該当数は、様式の右下に書きます。
段階2 状況をつかむ(領域ごとに、左から右へ)
- 2アセスメント領域と現在の状況
4つの領域ごとに、できていること・できていないこと・工夫していることを、事実で書きます。
- 3本人・家族の意欲・意向
領域ごとに、本人と家族が話した言葉を残します。
- 4領域における課題(背景・原因)
課題の有・無を選び、「なぜそうなっているか」まで書きます。
段階3 課題をまとめる
- 5総合的課題
4つの領域の課題を見比べ、つながっているものを1つにまとめて、優先順に番号を付けます。2〜3つに絞るのがおすすめです。
段階4 話し合って、目標を決める
- 6課題に対する目標と具体策の提案
専門職としての提案を書きます。ここは、本人と合意する前の「案」です。
- 7具体策についての意向
提案を聞いた本人・家族の受け止めを、そのままの言葉で書きます。
- 8目標
提案と意向をすり合わせて、合意できた目標を本人の行動で書きます。
段階5 計画にする
- 9支援計画
目標ごとに、支援のポイント → 本人のセルフケアと家族・地域の支え → 介護保険サービス又は地域支援事業 → 種別・事業所・期間、の順に考えます。
- 10健康状態について/本来行うべき支援ができない場合
主治医意見書などを踏まえた留意点と、必要な支援が実施できない場合の方針を書きます。
- 11総合的な方針
計画全体を通して、チームで共有する「生活不活発にならないためのポイント」を書きます。
段階6 仕上げる
- 12目標とする生活(1日・1年)を見直す
面談で聞いて仮に書いた言葉を、決まった目標や支援計画とつながっているか確かめて整えます。
- 13確認・会議・説明と同意
計画の原案を、サービス担当者会議で共有・検討し、本人・家族に説明して同意を得てから交付します。地域包括支援センターからの委託で担当している場合は、包括の確認(意見・確認印)の方法と時期も、事前に確かめておきます。
欄ごとの書き方|何を書くか・コツ・記入例・つまずきやすい点
記入例は、すべて同じ方で通しています。80代の女性・要支援1・一人暮らし・変形性膝関節症で膝の痛みがあり、長女は隣の市に住んでいる方です。欄どうしがどうつながっているかも、あわせて見てください。
1基本チェックリスト(該当した質問項目数/質問項目数)
2アセスメント領域と現在の状況(4つの領域)
3本人・家族の意欲・意向
4領域における課題(背景・原因)
5総合的課題
6課題に対する目標と具体策の提案
7具体策についての意向(本人・家族)
8目標
9支援計画
・目標についての支援のポイント:支える側が気をつけること
・本人等のセルフケアや家族の支援、インフォーマルサービス:本人がすること、家族や近所・通いの場などの支え
・介護保険サービス又は地域支援事業:サービスで行う内容
・サービス種別・事業所・期間
10健康状態について/【本来行うべき支援ができない場合】妥当な支援の実施に向けた方針
11総合的な方針:生活不活発病の改善・予防のポイント
12目標とする生活(1日・1年)
13地域包括支援センターの確認/計画に関する同意
記入例(欄ごと・コピーして使えます)
「コピー」を押すと右下のメモ板にたまります。予防プランAIでは、アセスメントの書類や面接のメモから各欄を下書きできます。
(1日)朝、自分で洗濯物を干し、昼は近所を15分歩く
(1年)来年の春に、友人と一緒に花見に出かける
膝の痛みにより外出を控えるようになり、筋力の低下と閉じこもりが進むおそれがある。痛みに配慮しながら活動量を保つことが課題
一人暮らしで食事が簡単なものに偏り、体重が減少している。栄養の改善と、食事を楽しめる機会をつくることが課題
週2回、通所型サービスで運動を続け、休まず参加できる
1日1回は野菜を含む食事をとり、体重を今の状態から減らさない
本人:毎日15分の散歩と、教わった膝の体操を朝夕行う/家族:週末に一緒に買い物へ行く/通所型サービス:週2回の筋力向上運動と歩行練習
本人:配食サービスを週3回利用し、残りの日は簡単な野菜料理を1品作る/地域:月2回の会食会に参加/通所型サービス:栄養相談と体重測定
アセスメント領域と現在の状況(4つの領域)
【運動・移動】屋内は杖なしで歩行できる。屋外は膝の痛みがあり、15分程度の歩行で休憩が必要。買い物は週1回、近所のスーパーまで歩いて行っている
【日常生活(家庭生活)】調理・洗濯は自分で行っている。掃除機の使用は腰への負担があり、週1回長女が手伝っている。入浴は毎日自宅の浴槽で、見守りなしで入れている
【社会参加・対人関係・コミュニケーション】月2回の地域の体操教室に参加。近所の友人と週1回程度の行き来がある。電話でのやりとりに支障はない
【健康管理】高血圧・変形性膝関節症で月1回受診。服薬は自己管理でき、飲み忘れはない。血圧は自宅で毎朝測定し、130〜140台
本人・家族の意欲・意向
本人:膝の痛みはあるが、自分で買い物に行ける生活を続けたい。教室の仲間と会うのが楽しみ/家族(長女):一人で外出して転ばないか心配。無理をしない範囲で続けてほしい
本人:料理は自分でしたい。掃除は手伝ってもらえると助かる/家族(長男・別居):週末しか来られないので、平日の様子を誰かに見てもらえると安心
領域における課題(背景・原因)
■有 膝の痛みにより外出を控える日が増え、下肢筋力の低下と閉じこもりにつながるおそれがある(背景:変形性膝関節症、痛みへの不安)
□無 服薬・受診は自己管理できており、血圧も安定している。現時点で健康管理上の課題はないと判断する
総合的な方針
膝の痛みと付き合いながら、買い物や体操教室など今の外出を続けられることを目標に、通所型サービスでの運動と自宅での膝の体操を組み合わせて筋力の維持を図る。転倒の不安については、住環境の確認と歩行の様子の共有を通所型サービスと行い、長女とも月1回、様子を共有する
記入例をためて、AIに仕上げてもらう
気になる記入例の「コピー」を押すと、画面の右下のメモ板にたまります。そのまま予防プランAIを開いて「AIのメモ欄に入れる」を押し、その方の様子を一言足せば、AIが予防プランの各欄に整えます。登録もインストールもいりません。
予防プランAIを開く →場面別の予防プラン文例は予防プラン文例集(408文例)にまとめています。
モニタリングと評価
介護予防支援のモニタリングは、居宅介護支援と頻度が違います。少なくとも3か月に1回と、サービスの評価期間が終わる月、利用者の状況に著しい変化があったときは居宅を訪問して面接し、それ以外の月は電話等で状況を確認します。令和6年度改定で認められたテレビ電話等でのモニタリングでは、少なくとも6か月に1回の訪問が必要です。
評価期間が終わったら、目標の達成状況を「評価」欄に記録し、次の計画に反映します。目標を達成できた場合は次の段階の目標へ、達成できなかった場合は本人のセルフケアが続けられる内容だったかを見直します。
よくある質問
介護予防・日常生活支援総合事業のみを利用する方は「介護予防ケアマネジメント」の対象になり、多くの自治体で同じ様式(または簡略化した様式)を使っています。運用は自治体ごとに違うため、様式と手続きは保険者の要綱を確認してください。
包括からの委託で担当する場合は、計画の最終的な確認と責任は包括にあります。居宅介護支援事業所が直接指定を受けた場合は、自事業所が介護予防支援事業者として責任をもちます。どちらの形で担当しているかで、届出や書類の流れが変わります。
要支援の方は認定有効期間が12か月のことが多く、計画の期間もそれに合わせることが一般的です。ただ、目標は3〜6か月程度で評価できる内容にし、評価期間ごとに達成状況を確認する運用が実務に合っています。
要介護認定に変わると介護予防支援ではなく居宅介護支援の対象になり、居宅サービス計画書(第1表〜第7表)に切り替えます。逆に要介護から要支援になった場合は、介護予防サービス・支援計画書に切り替えます。切り替え時は、それまでの目標や経過を引き継いで作成します。
様式の上から順に埋めるより、中段の「アセスメント領域と現在の状況」から左から右へ進めるほうが、手が止まりにくいと感じます。「目標とする生活(1日・1年)」は面談で最初に聞いて仮に書き、課題と目標が決まってから最後に見直すと、全体の話がつながります。
領域における課題は、4つの領域ごとに見た課題とその背景・原因です。総合的課題は、それらを横断してつながりを見て、本人の暮らし全体として取り組む課題にまとめ、優先順に番号を付けたものです。領域ごとの課題をそのまま並べ直すのではなく、2〜3つに絞るのがおすすめです。
提案の欄は、本人と合意する前の専門職としての案です。その提案を聞いた本人・家族の受け止めを「具体策についての意向」に書き、両方をすり合わせて合意できた目標を「目標」に書きます。3つの欄を分けておくと、なぜその目標になったのかが伝わります。
計画全体を通してチームで共有する方針を書きます。生活が不活発にならないためのポイント(活動量、家庭での役割、人とのつながり)を中心に、目標と支援計画をひとまとまりの文章にし、見守りや連絡の取り方などチームで決めたことも入れておくと役立ちます。